クラインガルテンに、デザインを。
10年ほど前、友人夫婦がイギリスに住んでおり、遊びに行ったことがある。
2人はもうイギリス生活も長く、
その頃はすでに、どっぷりガーデニングの虜になっていた。
もちろん、それは、日本にガーデニングブームが訪れる前のことだ。
その2人と、庭やガーデニングスタイルの話をいっぱいした。
イギリスは、かつて森林を伐採しすぎて大洪水になり、
その反省から自然を保護しはじめたこと。
イギリスには、ナショナルトラストという自然を保護する組織があること。
イギリスでは、ゴールデンタイムにガーデニング番組をやっていること。
イギリスでは、ガーデニングは趣味よりも生活に近いこと。
イギリスでは、まわりの家や環境とのバランスを考慮して庭をつくること。
イギリスでは、人工よりも天然自然のままの庭が好まれること。
そして、イギリスでは、ガーデニングが美術のひとつに考えられていること。
そんな話をしてぃるうちに、
私はすっかりイギリスかぶれ&イングリッシュガーデンかぶれになっていた。
特に、日本と違うなぁと感じたのは、
ガーデニングが美術のひとつに考えられているという文化度である。
そういうば、日本では虫がつかないこととか立派に育つこととか
テクニック的なことはよく語られるが、
美的な話は軽視されているような気がする。
クラインガルテン(小さな菜園)の場合もそうだ。
虫がつかない。よく育つ。有機である。
そういうことはとても大切だが、それと同じくらい、その畑が美しいか。
どんなデザインで、どういうカラースキームでつくっているか。
ということも重要でなんじゃないだろうか。
少なくとも、リラックスしたくて毎週クラインガルテンに行く私にとっては、
それはとても大切なことだ。
クラインガルテンは、美的にも楽しみたいものね。
前述のイギリスに住んでいた友人夫婦とコッツウォルド地方に行った時。
ナショナルトラストの庭を見てまわり、
B&B(イギリスの民宿みたいな宿)に泊まった。
夕食前にそのB&Bの庭を歩いていたら、
小川のむこうにキッチンガーデンがあった。
全体は幾何学的にデザインされ、
ネギは一直線に並んでかわいらしく横倒しされ、
アスパラは木のように大きく育ってフォーカルポイントになり、
紫がかったルバーブやスイスチャードは鮮やかだった。
素人の私が言うのもなんだが、
それは、完璧に目にもおいしいキッチンガーデンであった。
私は、その、
夕陽に照らされた
コッツウォルドの
キッチンガーデンを
一生忘れないだろうと思う。
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