リレーコラムについて

めんどくさい時代だから、代理店

丸原孝紀

広告代理店は、何を代理しているんでしょう。

まずはメディアの売買です。
そして、マーケティングや
クリエイティブといった企画です。

こう書くと簡単なようですが、
実はとてもタフな仕事です。
限られた時間、限られた予算で
たくさんのプロの知恵と力を集め、
ひとつの解決策を提案する。
場合によっては競争だったりする。

たくさんの人の意思、やむにやまれぬ事情、
分厚い企画書、終わらない打ち合わせ、
張り詰めた空気の現場…。
いろんなものが混ざって、ぶつかって、
溶け合って、磨かれて、やっと
1枚のポスター、15秒のコマーシャルが
できあがるのです。

代理店という響きからは
20世紀的な古臭さがあります。
でもこの、やっかいな問題を人と人が協力して
シンプルな解決策に導くというスタイルは、
いまの時代にこそ必要な気がします。

私は911以降、
環境問題などに関心を持つようになり、
仕事以外にプロボノでNGOやNPOの
クリエイティブのお手伝いをしています。

ややこしい社会的な問題を解決するときに、
広告代理店で身に着けたスキルが
とても役に立っています。

いま、ソーシャルメディアなどの発達で、
ノマドでフリーな働き方などが注目されています。
でも、問題がより複雑に、大きくなっている
いまの時代にこそ、たくさんのプロが
同じ船乗ってガッツリぶつかり合う代理店の
仕事のスタイルが必要なのではないでしょうか。

もちろん、巨額なメディアの仲介に依存しがちな
いまの広告代理店の商習慣には
おかしなところがいっぱいあります。
無理難題を嬉々として受けたり、
アイデアに正当なお金が払われなかったり。

でも、代理店的な仕事のやり方も、
まだまだ捨てたものではない。

紙とペンさえあればどこでも仕事ができる、
トラディショナルなノマドワーカーである
コピーライターは、思うのです。

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お返事は差し上げられないかもしれませんが、
よろしくお願いします。

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