ラジオスターには、なれなかった。
岩崎亜矢
みなさま、こんにちは。
電車でよく足を踏まれる岩崎亜矢です。
先日、DJ仲間たちがユーストで
トーク番組をしていたので視聴したのですが、
みんなトークが滑らかでびびりました。
実は昔、ラジオで何度かDJをした経験があります。
もちろん、ラジオなので喋るほうです。
おそらく、私のことを知っている人は
「え…?」と思うことでしょう。
私の喋りはスピードが遅く、
軽快にポンポンと話をつないでいくタイプでは
決してありません。
その当時は、コピーライターから
ちょっと遠ざかっていた時期で、
友人とふたりでケータイのコンテンツを作っていました
(20代後半、迷える時代)。
それがファッション系のコンテンツだったので、
ファッションの話をメインにした15分コーナーを
1時間番組の中で担当してみないか、
という話になったわけです。
15分。ひとり1曲ずつ選曲し、
残りの時間をふたりのトークでつないでいく。
ジングルとか事務的な内容などを話す時間を考えると、
おそらく、フリートークの時間は7分くらいだったでしょうか。
いやはや、この7分のなんとつらかったことか。
実はふたりともファッションになかなかに疎かったので、
ファッションの話などできるわけもなく(詐欺ですね)、
どうでもいい与太話を繰り広げながら、
お互い、相手にネタフリもオチも
すべてなすり付けるかのように会話をしていくので、
途中で必ず、「…」という間ができます。
幸いにも生放送ではなかったので、
ディレクターの指導を受けながら、
「…」←こういう部分はつまんでもらって、
結果的には、放送事故も起こらず、
普通の番組として成立していたのではないかと思います。
「ないかと思います」と書いたのには理由があり、
実はオンエアしたものを自分で聞いてないのです。
だって、こんな恥ずかしいもの、
はっきりいって聞く気がしなくって…。
結局、その後何ヶ月かして
その番組自体が無くなったので、
わたしたちの小さなコーナーも
3〜4回ほどで終了したのでしょうか。
それ以来、ラジオのブースに入って話すことはもちろんなく、
ケータイのコンテンツをつくることもどうも違うなあと感じ、
コピーの世界へとまた戻ってきたわけです。
仕事しているときも、
飲んでいるときも実感することは、
私は本当に、話下手だなあということ。
プレゼン上手なトップクリエイターの方々などを見ていると、
ただただ「すげえなあ」と思うばかり。
思えば、何人かで飲んでいるとき、
周りの人の白熱する議論やどうでもいいような会話を、
すこし酔いの回った眠たい頭で
聞くことがとても好きなのですが、
それも、話下手ゆえの楽しみ方なのかもしれません。
でも、少し、遠くのほうでいろんな声が鳴っていて、
それは、どれも自分の好きな人たちの声の重なりで。
「幸福という言葉をかたちにしたら、あれはその一つだ」
と、いつも思ってはうつらうつらとしているのです。
*というわけで今日の1曲は、
「Video Killed The Radio Star/The Buggles」。
曲自体も好きだけど、
「ラジオスターの悲劇」という邦題がこれまた大好き。
私が思う“ポップミュージック史上粋な和訳ベスト10”
のひとつです。
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