カチンカチン
新人賞の受賞連絡をいただく
ちょうど半年前に、子供が産まれました。
陣痛にもだえ苦しむ嫁さんに立ち会い、
一緒に闘いました。約15時間。
立ち会い出産を経験したことがある男性なら
わかると思いますが、
トイレに行く暇もないくらいの激闘でした。
赤ちゃんが出てきた瞬間、
感動(衝撃)のあまり、
僕は泣くことも笑うこともできず、
その場でかたまってしまいました。
声も出せないくらいのカチンカチンの状態です。
なんというか、心臓が持ち上げられているような感じ。
本当は「よくがんばったな!男の子だよ」と
嫁さんに言いたかったのですが、
気持ちが高ぶっていてうまく声が出せず、
「うまれた!」と、そのままのことを言ってしまいました。
すると嫁さんも安堵の表情で「うまれた!」と返しました。
分娩室の照明が、天からの神々しい光のように
やさしく赤ちゃんを照らしていました。
その後、産まれたてのわが子の泣き声を聞きながら、
自分も病院の廊下で一人泣いたことは
嫁さんにはまだ言っていません。
それから半年後。TCC審査会の日の夕方頃。
携帯に見知らぬ番号からの着信が!
「えっ、これってまさか・・」
興奮していたのか、電話で話した内容が
今でもはっきりと思い出せません。
でも、電話の向こうには確かに一倉宏さんがいて、
「新人賞」「内定」という言葉を聞いたことだけは
断片的ではあるけれど覚えています。
その電話の後、声がうわずり、
体がカチンカチンになりました。
会社の人に報告するのもままならない状態でした。
「あ、この感じ。子供の出産の時と同じだ」
落ち着きを取り戻すまで(まともに話せるようになるまで)
1時間以上かかりました。
その余韻は今もまだ少し残っている気がします。
人生でそう何度もないカチンカチンを
半年間で2度も経験できるなんて、
僕は本当に幸せ者です。
次のカチンカチンはいつになるでしょうか。
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はじめまして。こんにちは。
松田脩さんからバトンを受けとりました
クリエイティブオフィス・タブコの
多胡伸一朗と申します。
名古屋生まれの大阪育ちで、現在は東京に住んでいます。
大阪弁と標準語のバイリンガルです。
どうぞよろしくお願いします。
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