リレーコラムについて

奇跡しかない。

池田高明

さいきんよく聴くアーティストの曲に、こんなフレーズがあった。
「奇跡が生んだこのホシで起こるすべて 奇跡以外ありえないだろう」
(RADWIMPS/ふたりごと)

6年前、たまたま縁があって
転職の相談にのってくれたベンチャー企業の社長は、
「世の中は奇跡であふれている。というか、奇跡しかないよ」
と真顔で言っていた。

もうすぐオリンピックがはじまる。
テレビや新聞には、きっと毎日のように
「奇跡」の2文字が踊るだろう。

世の中には、奇跡を「ふつうのこと」と捉えたり、
「当然のこと」のように期待する人が、
少なからずいるようだ。

考えてみれば、ヒット広告を連発する
優秀なコピーライターも、
日常的に奇跡を起こしているようなものだ。

優秀じゃないぼくのようなコピーライターだって、
クライアントからは、
切実に奇跡を期待されているのだと思う。

奇跡。
改めて考えると、やはりハードルが高い。
そうそう起こるわけないよ。
そんなの期待されても困る。
…いやいや、ちょっと待て。

「向いてない」と反対されても、
採用試験に落ち続けても、
何とかコピーライターになった。
(小奇跡?)

落選しても落選しても応募し続け、
今年、ついにTCC新人賞を受賞した。
(中奇跡?)

奇跡を起こせる人に共通していることがある。
それは、信じ続けることだ。

コピーを信じ、
何とかコピーライターになり、
いまだにコピーを信じ続けているぼくは、
もしかしたら「奇跡」を起こす才能を
隠し持っているのかもしれない。

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