薫陶
「細い路地を抜けると、小さなランプの灯火。まさに隠れ家的お店…」。
こういうお店潜入レポートを読んで、探したことがあるのですが、
たどり着けた試しがありません。
都会の人にとっての「隠れ家的お店」は、田舎者の僕には隠れすぎです。
というわけで、僕は昔から、わかりやすい店が好きです。
駅の真ん前。国道沿い。ビルの中。
わかりやすくて、とても良いです。
が、ひとつ問題があります。
不思議と、世の中の女性は隠れ家的お店が好きな場合が多い。
デートに誘うことには成功したものの、お店に着くやいなや、
煌々と輝く看板を見ただけで、ドン引く女性も高い確率で存在します。
そのとき、どうするか。
若かりし日の僕が熟考に熟考を重ね、たどり着いたソルーション。
それは、「あえて」感です。
初デートなのに、大衆居酒屋。
記念日なのに、焼き鳥屋。
誕生日なのに、ラーメン屋。
コツは自信をもった顔で臨むこと。
困惑する女性の姿を見て困惑する男の姿は、さらなる女性の困惑を呼び起こします。
「オレは自我を持ち、雑誌を鵜呑みにせず、この店を選んだんだ!」
「ここには最高のホスピタリティがあるんだ!」
このオーラを出しまくってください。
すると女性は「あ、このチョイス、逆にセンスあるの?」と思うはず。
バッチリです。
「このコラムを読んでいる方のなかには、地方出身者も多いだろうに。
かつ、当時の自分と同じような悩みを抱える若い男性も、きっといるだろうに」。
そう思い、今回はこんな内容にしてみました。
ぜひお試しください。
「あえて」感。
これで決まりです。
もしダメだったとしたら、それは宿命。
単に縁がなかっただけ。
決して、あなたは悪くありません。
そして僕も悪くありません。