リレーコラムについて

「勉強しなさい」

板東英樹

親になって、これだけは子供に絶対言わない。
そう決めている言葉があります。
「勉強しなさい」が、それなんですけどね。

「勉強しなさい」って
親に言われた経験のある人、多いと思います。
私は、ないんですよね。
優等生だったわけではありません。
むしろ、その真逆。
特に小学生の頃は、とにかく悪さばかり。
本当に生意気で手のかかる子供でした。
おまけに大の勉強嫌い。
通知表はいつも体育と図工だけ◎。
テストも50点はいいほう。
40点とか、20点とか。
けど、どれだけ悪い点とっても、
「あんたは、やればできると思うけどなぁ」
と親はいつも言ってくれました。
一体何の根拠が? でも、アホな私は、
「俺はやればできる子なんや・・・」
根拠のない自信だけは持ってましたけど(笑

そんなある日のこと(たしか小学4年の頃)、
母が保護者面談から帰ってきました。
「お宅の息子さんは勉強もせずガミガミ・・・
 悪さばかりガミガミ・・・」
先生から結構なことを言われたのだと思います。
私的には思い当たる節が山ほどあったので、
内心、まあ、言われて当然やろな~てな感じでしたが、
母の、私に悟らせまいとしながらも、
それでも顔を出してしまう悔しそうな様子を見ていると、
「ホンマに俺のこと信じてくれているんやな」
そう思いました。同時に、
「裏切ったらアカン」
なんとなく、そう強く思いました。
そして、本当にやればできる子なのか?
自分を試してみたくなりました。
実際に勉強を始めてみたら、
「分かる」ってこんなにオモロかったんや!
自分でもびっくりするくらい
勉強が好きになっていきました。

もし、「勉強しなさい」と言われていたら、
私の性格上、意地でもやらなかったと思います(苦笑
両親は、私という人間を分かった上で、
“「勉強しなさい」って言わないキャンペーン”

“あんたは、やればできる子やと思うんやけどなぁ”
というコピーで展開したのだ、とも言えます。

そう考えると、子育てってある意味、
誕生から自立まで、めちゃくちゃ長期に渡って取り組む
広告戦略キャンペーンという感じですよね。
そっか!
親ってクリエーティブディレクターなんですよね!

・・・一人で盛り上がってしまいましたが、
子育て奮闘中のコピーライターのみなさん、
あなたのクリエーティブディレクションは、どんなですか?
というお話でした(なんじゃそりゃ)

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