リレーコラムについて

レッツロンリークリスマス

永井史子

クリスマス。それは町中に電飾をはりめぐらせようが、家に電飾を巻こうが、木々に電飾を巻こうが許されるそんな一日。サンタなんて知るか、トナカイなんて知るか、クリスマスデートなんてもっと知るか、私はただ電飾があるから、クリスマスが好きです。愛しています。こればっかりはもはやその起源とか、クリスマスまでに恋人が出来なかったらマジダウナーとかそんなことは一切興味なく、ただなんかどこもかしこもばかみたいにLEDで光って、いつも真面目な顔をしている大人達が浮かれて建物やらをキラキラさせることがいいのです。バカみたいではないですか。木を光らせる意味がなんなのかだれも疑問に思っていない間の抜けたかんじが愛おしいのです。

クリスマスをデートだなんだよくわからないことの言い訳にする人間達と一緒にされてはこまります。クリスマスはクリスマスだから素敵。1人であろうが2人であろうが3人であろうが素敵なものは素敵なものだ。私はクリスマスを受験生時代、マスクをして1人歩き回り、喫茶店で故郷に帰ることもできず年越しをする男の歌を聞きながら受験勉強をしたこともありますがそれでもクリスマスは楽しい。無意味に光らせ、無意味に光って、夜空より町がきれいになる季節。世は浮かれ、カップルが虫のようにわき、サンタがいるだのいないだの、ロマンチックだのなんだの、高いものを買い、経済を高速回転させていく。なんだったらカップルなんぞにならずにひとりぼっちでクリスマスを過ごした方がその美しさがさみしい心の傷口にしみてしみて、実感できるのではないでしょうか。ここで私がカップルに嫉妬しているとか思っちゃうタイプの人は、「脳みそ色恋沙汰漬け人間」という分類に属することでしょう。私は純粋にクリスマスの電飾が好きなのです。

まだ今年のクリスマスは一ヶ月先ですが、恋人がいらっしゃらないかたも焦る必要はありません。今年もLEDがたくさん町中に巻かれます。星よりもきらめき、クリスマスソングが町に流れ、だれもが浮かれ、ケーキがばかみたいに売られ、派手な服装の人間が騒ぎ、みんながみんな幸せそうにしています。…ひとりぼっちのあなた以外。けれどそんなしあわせな人々が、あなたに気づく訳がありません。あなたに興味がある人なんて1人もいないのです。堂々とひとり、イルミネーション巡りでもしましょう。案外きれいなものですよ。(だからこそ、泣けるかもしれませんが。)

というわけで私は今回でおしまいです。
いままでありがとうございました。次は昔、部の先輩だった山崎ひでおさんです。

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