男気の仕事
ぼくを男に育ててくれた
求人広告の世界の話を、もう少しだけ詳しく。
昨年まで、求人広告の世界に10年くらい
居ついていたわけですが、正確に言うと、
ぼくはコピーライターではありませんでした。
デザイナーでもありません。
単純に「制作のひと」です。
「制作マン」なんて呼ばれ方もしましたね。
制作マンて。そのまんまやな。
要はひとりなんですね。
自分でコピー書いて、自分でデザインして、
なんなら自分で写真も撮りまっせ、と。
そうやって1本1本、原稿をつくっていく、
極めてロンリーな仕事をしていました。
「劇団ひとり」に対して
「制作ひとり」みたなノリです。
クオリティを担保してくれるCDもいなけりゃ
お師匠もいない。おまけに先輩もいなくて、
後輩ばかり増えてくる。
何事も自分でいろいろ決断する場面が
多くなるわけです。
でも判断力というか、
おりゃああ、このコピーで勝負じゃああ、
みたいな思い切りは身に付きます。
コピーを選ぶ目みたいなものも
養われていくような気がします。
(当然、新人賞に出す作品も自分で選びます)
出した広告がアタれば自分の手柄ですから
相当自信がつきます。
が、ハズしたら相当ヘコみます。
鉄の鍛え方に似てる気もしますね。
熱して冷やしてを交互に繰り返して鍛えていくあの感じ。
なので、男気溢れる鋼のような決断力を
身に着けたいってひとには求人広告の仕事、
おすすめです。(女性にもいいですよ)
そういう日々を過ごしていたせいでしょうか。
「そうだ、東京いこう。」みたいな軽さで
神戸から東京へ引っ越す決断をしちゃう奴に
なってしまいました。
そういうわけで、今ぼくは
住み慣れた地元を離れて東京にいます。
あしたはそのへんの話でも。
いよいよ話に抑揚がなくなってきました。
このリレー、走り切れるかどうか
まったくイメージが湧きませんが、
明日も男気で、書けるとこまで書いてみます。