コピーvsジブン ~打席に立つ機会を無駄にしないぞ篇~
和田佳菜子
わたしにこの仕事の基礎を叩きこんで下さった師匠は、
スタープランナー(!)としてご活躍中の岡部将彦さんです。
配属された当初から「コピー分類」など合理的な勉強法を、
ご本人の濃厚な経験に基づいて次々教授してくれました。
そして常に言うのです、「お前はコピーライタータイプだ」と。
確かに岡部さんとCMプランニングをともにすると、
「企画」というところで圧倒的な才能の差を見せつけられ、
努力で何とかなる気すらせず、諦めの境地に立たされる日々。
かといってコピー力にも自信が持てない状況に苦しみ…
すがりついたのが、当時局長だった小松洋支さんでした。
始めたのは、ブレーン「C-1グランプリ」の課題に対して
毎月必ず100本書いて小松さんに見て頂くというラリー。
これを1年半ほど続けさせて頂きました。
小松さんが途中で東京に戻られてからはメールで継続。
本当にお世話になりましたし、感謝をしております。
そんな訓練と並行して担当するようになったのが、
三越の1店舗である「ラシック」というファッションビル。
毎シーズンのポスターを先輩2人と競いながら書いて、
小松さんに指導・選定して頂く形で制作していました。
喉から手が出るほど欲しかった貴重な貴重なGF実作業。
バッターボックスに立つ限られたチャンス。
しかも、百貨店・ファッションといえば、
コピーライター全盛期に山のように
名コピーを生み出している“おいしい”案件です。
西村佳也さんや糸井重里さんや土屋耕一さんなどなど…
近年では、児島令子さんの「Earth music&ecology」、
尾形真理子さんの「ルミネ」なども大好きです。
そんな畑ですから、豊穣となる希望はありつつも
逆に掘り起こされていないステキコピーを収穫するには
相当の覚悟と努力がいるなぁという思いもありました。
なので、まずは過去の類似案件コピーを大量に集めて印刷。
バイブルができたところで「ラシック」の嗜好に合い、
かつ今の時代にマッチした言葉を探す作業でした。
当然、小松さんの目はありがたくも厳しかったので、
「ラシック」の仕事は高いレベルを保つことができ、
とある1本はわたしの新人賞にも貢献してくれました。
しつこいですが、そういった受注作業での
コピーライティングは本当に機会が限られています。
だから自主提案・公募で鍛えた力を発揮する「本番」として、
非常に緊張感をもって取り組んでおります。今でも。
最近では「名古屋銀行」のキャンペーンGFなどありますが、
CDの都築さんに見て頂く時間はやはり手に汗握る感じで。
商品特性やターゲットの心情をキュッと正確に捉える嗅覚が
いかに大事かなど、学ぶことがいつもたくさんあります。
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