リレーコラムについて

明日から、香港の話をします。

山田恭子

2011年入会のやまだです。
長谷川さんとは、会社で隣の席なので
このリレーコラムで1、2位を争う短距離バトンパスを受けました。

でも、1週間くらい前までは、
会社の研修プログラムで3ヵ月間、香港にいました。帰国ほやほや。
日本語が怪しかったら、きっとそのせい、ということにしといてください。

でも、3ヵ月の研修なんて、

「え!?もう帰ってきたの?」

帰国後、出社したら、会うひと、会うひと、
本当に、ひとりの例外もなく、こう言われます。
「おはよー」「おつかれさま」に並ぶ、
日本の定番挨拶になったのか、てくらい。

そういう自分も、出社1日め、席についた瞬間、
なにも変わらない風景、3ヵ月前までの日常感、
昨日も同じようにそこに座っていた錯覚が
ズワアアアッと押し寄せてきて、
香港滞在なんてなかったような、ていうか、
あれ、明日から出発するんだったっけ、みたいな、
パラレルワールドに落ちたような不安を覚えました。

机の上にうっすら積もった埃で、
自分はちゃんといなかったんだなーと思ったくらいです。

一体、どれくらいの時間を隔てれば、
ひとは「久しぶり」や「懐かしい」と感じるのでしょうか。
4ヵ月はまだ最近なのか、半年ならそろそろ久しぶりなのか…
時間の境界線は、雨と晴れの境目みたいにくっきり分けられなくて、
ひとそれぞれ、それこそ思い出それぞれで、時間感覚に戸惑うことがあります。

だから、3ヵ月ぶりの会社に何の感慨もない私の中でも、
3ヵ月前、香港に着いた日のことを思い出せば、
ものすごく遠い昔の出来事のようで胸が潰れるほど懐かしくて、
「え?!もう帰ってきたの?」と言われると、
「そうなんですよー、げへへ」とか「すいません、ぐふふ」とか
なんとなく曖昧に笑ってしまうのです。

と、思っていたら、ひとりの後輩男子に
「やまださん、久しぶりですね。」と声をかけられました。

ちょっとだけイイ気分になって、
「そんなこと言ってくれたの、後輩くんだけだよー」
と、クネクネしていたら、相手の顔に、思いっきりクエスチョンが浮かぶのが見えました。
話してみると、彼、私が香港に行っていたことを、そもそも知らなかったそうです。

…明日から、香港の話をします。

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