リレーコラムについて

日本から漢字が消える日

阿部光史

ビジネスモデル特許というものがありますが、
最近はこのコトバもちょっと古くなってきたのか
あんまり新聞で見ても新鮮に思えなくなってきました。
でもITがらみの大企業やベンチャー企業などでは
利益を大幅に左右する問題にかかわってくるので
これからもこの特許に熱い視線を注ぐ人々は
減ることはないと思われます。

それが国境を越えてひろがると
モノの企画や生産、販売さえも影響を受けると思うのですが、
そこでこんなお話を考えてみました。

名付けて、「日本から漢字が消える日」

ある日、中国政府から日本に対して
「そちらの国が使用している「漢字」は我々がオリジナルで
開発した意志伝達ツールであり、その使用に関しては当方に
著作権がある。
これまでの使用は歴史のなかでの交流の結果として大目に
見てもよいが、これからの世界は著作権や特許を制した者が
勝利者となる時代である
よって我々は「漢字」の使用に関して、以後使用料を請求
することを閣議決定し、ここに伝達するものである。」

さて日本はこれを受けててんやわんやの大騒ぎになります。
想像したこともない要請を受けて政治は完全に停止し、
日本最高の渉外弁護士が大集合して方針をたてども
太刀打ちできず、
この問題について相談しようともあらゆる国にソッポを向かれ
かくしてある日、漢字の使用が禁止されるのです。
文字的戒厳令とでも申しましょうか。

小説家とコピーライターは文章からニュアンスが消えると嘆き
デザイナーはデザイン用の書体の種類が爆発的に増えて興奮し
小中学生は学校での文字の学習が50音のみとなって大喜びし
外国人は楽に日本語を勉強できるようになり文化の交流が進み
とまぁそんな混乱がいろいろありまして、

そして、日本において「漢字」は、地下に潜り、
禁じられたエロティックなモノとして
ある種宗教的に扱われるようになるのです。

 ジャンジャン!

しかし、こんな話を作って誰かに見せようにも、
映画じゃぁなんにもわからないし、
短編小説ぐらいにはなりますかね?
って僕も誰に聞いてるんだか。

お話はフィクションですので、実在の国家とは関係ありません!

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