ガサベコな画用紙
村山覚
今日は1時間ぐらいでこのコラムを書き上げて
神宮球場でヤクルトの応援だ!と思っていたのだが、
書いては消し、を繰り返していたら試合が終わってた。
でも勝った!最下位脱出!ヤマーダテツト!
僕らのアイドル、高田純次さんはあるテレビ番組で
「説教、自慢話、思い出話は抑えていかないと」
と語ったそうだが、また思い出話を書かせてください。
—
僕は中学校の近くを流れる川べりに座って、
橋の絵を描いていた。左手には白いパレット。
太ももの上に置いた画板の傍らには黄色い筆洗バケツ。
鉛筆で下書きをしている時は楽しかったのに、
色を塗り始めたら全然うまくいかなかった。
筆をバケツでじゃぶじゃぶ洗っては色を塗り重ねる。
バケツの中はどぶ川のように濁っていく。
じゃぶぬりじゃぶぬりを繰り返しているうちに
画用紙は毛羽立ち、水分を含んで歪みはじめる。
ガッサガサでベッコベコになった画用紙を見て
「絵とか向いてないんだよな」と思った。
見回りにきて画用紙をのぞきこんだ鈴木先生は
いつにも増して困ったような顔をしていた。
—
鈴木先生へ
じゃぶぬりでガッサガサでベッコベコだった僕も
今ではいっちょまえに「コントラストが」「級数が」
「カラコレが」なんてことを言うようになりました。
広告制作って(画用紙と違って)やり直しがきくんですよ。
やり直しがきくからこそ「肌修正」や「改訂作業」なんて
こともあるけど、いい絵や言葉を追求する日々です。
僕が関わった広告、見てくれていたら嬉しいな。 村山覚
—
明日はもうちょっと中身のあること、
コピーライターらしいことを書きます……
ご意見、ご感想、コラムのお題、神宮で飲もうぜ、
コンサート行こうぜ、中学でお前の担任してた鈴木だぜ、
何でも結構ですのでお気軽にご連絡ください。
→ murayama.satoru@dentsu.co.jp
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