ネタ帳にメモしたこと。その3
おはこんばんちわ。
(そのあいさつ、微妙に滑ってるよw
という方がいらっしゃいましたらお知らせください…)
今日はもう少しタイムスリップして、
2009年3月21日のメモから引っ張りだしてみます。
———
女性の写真を撮るとき、
ほんとうに体の関係がある人には勝てないんだよ。
すべてを許した人にしか見せない表情があるからね。
「番番」で隣り合わせたカメラマン
“まっちゃん”の言葉
———
これはオレンジ・アンド・パートナーズに入社する前、
そう、リクルートメディアコミュニケーションズ時代。
新宿歌舞伎町にある僕の大好きな焼鳥屋さんで
偶然隣り合わせた男性が発した言葉です。
結果、僕はこの日、お店のお兄さんに
勧められるがままに飲んだにごり酒がキマって、
階段から落ちたんですけれども。
本文には関係ないですね。
それほど泥酔していたのに、
相当、心に刺さったんでしょう。
いつの間にかメモに残していました。
まっちゃんは真っ赤な顔をしていて、
ろれつが回っていなかった記憶があるのですが、
ここだけはなんかミョーに熱く語っていたんですよね。
「ポートレイト」
まっちゃん:なぁ、ケンジ。ちょっと賭けねえか?
ケンジ:なんだよ突然。まあいいや、言ってみろよ。
まっちゃん:卒展、同じテーマで撮ろうぜ。
ケンジ:ええ?マジかよ?
まっちゃん:いいじゃん。どうせオレたち、就職も決まってねえし。
大学生活の最後に、想い出つくろうぜ。
ケンジ:やるかやらないかは聞いてからだな。で、どんなテーマ?
まっちゃん:ユキだよ、ユキ。どっちがあいつをうまく撮れるか。
いっちょ勝負してだな、勝ったほうがあいつをもらう。
ケンジ:…バカかよw ユキがそんな話に乗るはずねーだろ。
ユキ:ねえあんたたち何話してるの?またイヤらしい話?
ケンジ:なんでもねえよ。
まっちゃん:あのさ、ユキ。今度お前のこと撮らせてもらえない?
卒展のテーマ、ユキに決めたんだよオレたち。
ケンジ:ちょっ! お前何勝手に…!
ユキ:いいわよ! その代わり、資生堂パーラーでケーキごちね!
まっちゃん:お安いご用だ。バイト代… ま、なんとかするわw
〜1ヶ月後〜
卒展会場に並ぶ生徒の作品。
ケンジの写真に、赤い花がついていた。
ケンジ:…。
まっちゃん:お前…。
ケンジ:悪かった。田舎から出てきて、東京に全然馴染めなくて、
そんな時に声を掛けてくれたお前に…
ユキ:ねえ、おふたりさ…
ケンジの嘘つき!!!!!
ケンジ:ユ、ユキ!!! ちょ、待ってくれよ!!
ユキ:離してよ! 嘘つき!
これは出さないって言ったじゃない!
もうあんたの顔なんか見たくない!
〜卒業式〜
ケンジ:なあ、まつ。
まっちゃん:なんだよ、ケンジ。
ケンジ&まっちゃん:あの…
ケンジ:お前から先に言えよ。
まっちゃん:いいよ、お前が先に言えよ。
ケンジ:黙ってて、悪かった。すまん。
まっちゃん:ふふ、気づいてたよ。あの写真を見た時にな。
ケンジ:…なんでわかるんだ?
まっちゃん:ほんとうに体の関係がある奴には勝てないんだよ。
ぜんぶ許した奴にしか見せない表情があるからな。
ケンジ:えっ…!?
ユキ:あの…。ふたりとも、ちょっといいかな。
まっちゃん:おう!ユキじゃねーか。あの日以来だな。
完全に嫌われたって、ケンジがびいびい泣いてたぜ。
ユキ:ゴメンナサイ。わたし、気が動転して…。
ケンジ:ユキ、オレの方こそ、ごめん。
まっちゃん:まあまあまあまあお二人さん、熱いねぇ!
ケンジよぉ、ユキのこと幸せにしろよ。
オレも、好きだったんだからよ…。
ユキ:えっ!?
ケンジ:…。
まっちゃん:なーんちゃってな!
ユキ、ああいう写真はさ、大切にしろよ。
じゃあまたな! オレ、師匠が見つかったんだ。
今日から早速雑用のはじまりなんでね。
結婚式の撮影は昼メシ3回分、格安でやってやるからな!
いい話です、ほんと。
あの言葉の裏側にこんなドラマがあったなんて…。
まっちゃん、大好きになっちゃいます。
いかがですか?ネタ帳の素晴らしさ、
感じていただけましたでしょうか。
良いコピーや企画が思いつかなくて、
筆がピタリと止まってしまった時。
ふと読み返すだけで、こんなに素敵な妄想世界に
逃避することができるんですよ。
ドラマは嘘ですが、僕も、まっちゃんみたいに、
一芸を極めた男が背中で語るような、
カッコイイ台詞を喋ってみたいなぁと思いました。
残すところ、あと2日。
引き続きよろしくお願いします。