僕の細道
毎日新聞で『仲畑流万能川柳』というのをやっている。
全国から寄せられた句から選んだ秀作を、1日18句づつ紙面に掲載する。
新聞の休刊日以外は、年中休み無しである。
軽く始めたけれど、「全国紙に毎日名前が載る人なんてうらやましい。」
という人がいる。
そういわれると、大変だけどうれしくなった。
現在、投句数は年間58万句を超える。
月平均4万8千句ぐらい来るから、年間にするとそれぐらいになるのだ。
始めて25年になるが、こんなに増幅するとは思っていなかった。
初期のほぼ3倍。
予想をはるかに超えている。
想定外といえば、投句者の交流である。
ハガキによる投句で、北海道から九州まで、あちこちから来るが、
その投句者同士仲良くなるのだ。
度を越して親密になる。
一組、カップルが生まれた。
年に一度、毎日新聞社のホールで年間賞の贈賞式と親睦会がある。
その会が、変なのだ。
フランクで熱い。
いや、フランクすぎて、熱すぎる。
はじめて会ったのにもかかわらず、旧知のごとく談笑するのだ。
夏休みに、東京の小学生2名が、九州へ行き10日ほど滞在した。
九州の句友が、東京の句友の子供たちを受け入れたのだ。
こんなこと、親族同士でも、いまどきは無いではないか。
何がこんなに人と人を結ぶのだろう。
川柳は人事を語る。
当然そこに、作者のモノの見方から考え方が現れる。
そういう表現と日々接しているうちに、作者の人となりを呼吸し、
会ったこともないのに旧知のごとくとなる。
北は、札幌万能川柳の会から、九州宮崎の会まで各地に会がうまれた。
いずれコピーから離れる日も来る。
時間が出来る。
日本各地、万能川柳の会を巡る、僕の細道。
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