虫に警告。
虫に感情移入するクセがあります。
とくに飛ぶ虫。
教室とか電車とかに、
そういうつもりじゃないのに紛れ込んでしまって、
窓のふちを飛んで、
「アレ!!出られない!出られない!」
ってなっている虫を見るにつけ、
ハラハラが止まりません。
わたしの父は、
休日になると畑へ向かいます。
休日農家です。
夏は野菜がたんまり収穫され、
家じゅうが野菜庫と化します。
これでもかこれでもかと野菜を食べ続けるのが、
風物詩となっています。
そんなわけで、
キッチンや玄関には
野菜がたくさん置いてあるのですが、
やっぱり虫だって野菜が好きなので、
ときどき、小さい虫が飛んでいたりします。
先日、リビングに、
小さいテニスラケットのようなものが
置かれていました。
「なにこれ?」
「これすごいよ!虫が殺せるの」
そういって、ラケット横のスイッチを押す母。
キイイイイン、という小さい音。
話をきくと、
虫を感電死させられるハイテク殺虫マシンだそう。
リサイクルショップで150円。
実践を幾度か目にしたのですが、
①虫に向かって、
②キイイイイン状態のまま、
③そっと近づけるだけで、
虫がぴっ!とくっついて、・・・死んでる!!
超簡単3ステップ。おそろしい道具です。
前は虫が出ても、
「いいじゃんほっとけば」だった母が
この兵器を手に入れた今、虫が出るたびに
「おっ」
キイイイイン、っぴ。
「やった!」
みたいな感じで愉快に虫を殺しています。
わたしも一度やってみたのですが、
本当にあっけなく殺せたので、
なんともいえない気持ちで佇んでいたら、
「最初はたしかに罪悪感を感じるけど、
そのうちになんにも感じなくなるから大丈夫!」
と言われました。
虫、悪いことは言わないから、
武田家には近づかない方がいい。
それか、野菜をちょっとくすねて、
すぐに立ち去った方がいい。
それにしても、
ティッシュでぐりぐり殺すより、
あのラケットを使うほうが
申し訳なさがますのはどうしてだろう。
与える死は、楽しちゃいけないんでしょうか。
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