さびしさの研究
ひとり暮らしを始めました。
2カ月が経ちます。
さびしい、を知りました。
苦手でもないだろ。
と思っていたのですが、
じっさい、混乱しています。
はじめは
さびしいが分からず、
からだの調子が悪いなあ、と思っていました。
からだも勘違いしていたようで、
キライだった牛乳をぐびぐび飲んだりしていました。
さびしいは、カルシウムを必要とする様子。
「これってさびしい、かもしれない。」
と気づくと、夜が怖くなりました。
日が落ちてくると、
「よ、夜が来る・・・!」
と不安になって、
むだに会社に残ったり、
帰っても遠く車の音に耐え切れなくて
さっさと眠りました。
朝が好きになって、
日の出とともに目覚めることが増えました。
さびしさの研究。
いくつか研究結果をご報告します。
————
・日中楽しいほど、夜がさびしい。
修学旅行の次の日、目覚めたときの感覚に似ている。
・TVをつけたほうが和らぐ。
放送大学がよい。誰かがわからないことを言っているのは安心する。
・お酒は気休めでしかないようだ。余計さびしい。
翌朝の空き缶はむなしい。
・知らないひととの中途半端な会話は、かえって毒。
いちばんはオリジンでお弁当を買って帰るときのお会計。
・見知らぬ土地はさびしかろう、と一人旅してみたがそこそこだ。
旅先は他の刺激が多いので、さびしさだけ抽出するのは難しい。
————
小説でお酒におぼれていた人も、
この前ともだちが言ってたことも、
あのつぶやきも。
もしかしたら、
みんなさびしかった、ということなんじゃないか。
そうか、さびしかったのか。
もしかしたら、
楽しいも嬉しいも苦しいも、
知ったつもりになっているだけかもしれない。
さびしさに飽きたら、
ほかの感情も研究してみようと思います。
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