単一言語惑星
「ハウマッチ?」
といえばハマチが握られ、
「ノーノー!イクラ?」
といえばイクラが握られ、
なかなか鮨屋を出られない外人さんの話は、
有名なスネークマンショー(若い人は知らないか・・・って
オレも若いけど)の一場面ですが、
実はイクラは他ならぬロシア語なんです。
綴りはikra(まんまや)。ホントです。
嘘だと思ったら食べてみて、じゃなかった辞書を
ご覧くださいませ。
さらに、あのネバ〜とした「おくら」という野菜の名は
実は英語です。okraなんです。ikraとokraの共通性を
書こうというのではありまへん。
世界に夥しい数の言語はあれど、実は語彙が少しずつ重なり
合っていて、元を辿ればひとつの言葉であったような気が
してならないのです。もちろん、言葉の語源を専門的に研究して
いらっしゃる方がこうした事に関する膨大なデータを
収集されているるのは重々承知の上ですが、ここでは前から私が
「気になっていたレベル」のことを書いているだけなので、
雑文として読み飛ばしていただければ幸いです。
スペイン語の”aho”は、日本語の「阿呆」なんですね。なんとも。
ミクロネシアの島々では、「ヤキュー」「シンブン」「サシミ」
といった言葉が第二次世界大戦の影響で現地語化してます。
逆に、時計の「リューズ」は、舶来の言葉のような顔をして
正体は「竜頭」。お寺の鐘のてっぺんもこう呼びます。
英語の”road”と日本語の「道路」は、なんかのマチガイで
音がひっくり返ったに違いありません。
「シャボン」が「savon」だったり、
「ポン酢」がオランダ語の「ポンス」から
来ているとかの事実を目にすると、悠久の太古から連なる
言葉の連鎖を感じずにはいられないのです。
「dictionary」を「字を引く書也」と覚えるやり方なんかも
実はこの言語の源に着目した偉人の仕業でしょう。
言葉って本当に面白いと思いませんか。
ネットや通信技術の発達で英語は日本語に止まることなく
取り入れられ、karaoke,sushi,futonのように日本語は外国へ
次々輸出され、この先どんどん語彙は重なってゆきます。
言葉はひとつの言語から世界に散らばりましたが、
コミュニケーションの深化に伴い、再びひとつの言語へ
収束するのではないでしょうか。
地球の言葉がエスペラント語を学ばずしても、ひとつに
なる時代が遠い遠い先には来るのかも知れません。
三十世紀か四十世紀かに、この美しい日本語はどれだけ残って
いるのでしょうね。
では、今晩はこの辺で。