「あいつは日本刀。お前はナタだ」
これは、僕が直接言われた言葉ではないのですが。
僕がすごく影響を受けたCDのDさんが、
若い頃、上司に言われた言葉だそうです。
「お前=ナタ」が、Dさん。
「あいつ=日本刀」は、Dさんの同期のEさん。
DさんもEさんも、言われた当時、同じCMプランナー。
同期で同職種ですからね。
ヒドイこと言いますよねえ。
この発言をしたDさんEさんの上司だった人が、
まあ、博報堂では知らぬ者のない名物CDだった人で。
ものすごい圧力で数々の犠牲者をだし、
その(当事者以外からすると)笑えるほどの人圧に、
恐れられながら愛されたという。
*東ハトの暴君ハバネロのキャラクター開発をした時に
僕らスタッフ一同が
陰でキャラ設定の参考にした人でもあります。
余談ですが。
その暴君ハバネロ並みにハードな上司のもとで、
過酷なCMプランニングの日々を送っていたDさん。
倒れそうなほどの激務の中、ハバネロ上司に言われたそうです。
優秀で通っていたEさんと比較していわくーー。
「あいつは日本刀だ。
切れ味鋭いが常に手入れしてやらないといかん。(*休ますってこと)
お前はナタだ。
少々刃こぼれしても振り回せば切れる」
・・・つってますますコキ使われたんだよ!酷えだろ!!
という笑い話だったんですが。
そう言うDさんは文句言いながら楽しそうで。
僕からするとすごく輝いて見える。
僕はこの話が好きで、
っていうか、すごく励まされた気がしたんですよね。当時。
いや、今もかもしれないな。
この仕事をしていると、
特に若い頃は人のことが気になるものです。
アイツが活躍してるとか。アイツが賞とったとか。
博報堂時代でいうと、
僕の1年上には吉岡虎太郎さんがいて。
同期に照井晶博くんがいて。
1年下に呉功再くんがいて。
みんなすごーーーく早くから活躍するわけですよ。
(名前挙げなかったみんな、字数の関係よ?他意はないからね)
スゲエなあ・・・。
俺は・・・・・・いや、考えないようにしよう、的な。
友がみなわれよりえらく見ゆる日よ
花を買ひ来て 妻としたしむ
というのは石川啄木の短歌ですが、
これ何歳のときに詠んだ歌だと思います?
妻としたしむなんてあるので
それなりの年齢を想像しますが、24歳のときの歌です。
「友がみなわれよりえらく見ゆる」
とつぶやく24歳。
なんか感じるものがないですか?
これ俺か、と。
でもね。
振り返ってみると、
意外と“自分だけの戦い方”ってあるもんです。
僕は謙遜ではなく
自分に才能があるとカケラも思わないんですけど、
その代わりというか、
才能なくても人並みに仕事するにはどうしたらいいか、
ってことは
けっこう真剣に考えた方かな、と思います。
自分に何ができるか。
自分に何ができないか。
わかるといいですよね。
ナタ派の僕は、そう、思います。
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来週は、僕の永遠のフジロック仲間。
オアシスをこよなく愛する(愛した?)男、渡辺潤平くんです。
苗場の民宿の8畳間での
彼のなりきりリアム・ギャラガーの立ち姿が、歌声が、
僕は忘れられません。
では潤平、よろしくね。
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