最初にほめてくれたひと。
誰に、ほめられたいんですか?
今回のTCC応募ポスターで軽く炎上したコピーですが、
熱い議論をここでしたい訳ではなく、
書こうと思ったのは個人的な思い出のようなものです。
そのコピーを読んだとき、
ふと僕の頭によぎったのは、
初めてコピーをほめてもらった時のことでした。
前回のコラムに登場した師匠に、です。
毎回ダメだしばかりで、ほめてもらうことなんて、
まったくありませんでした。だからこそ、
初めてほめてもらえった時のことはよく覚えています。
ビギナーズラック的なコピーでしたが
とにかくめちゃくちゃ嬉しかった。
この春、ライトには2人の新人コピーライターが入りました。
1人は僕のアシスタントをしてもらっています。
自分がコピーを見る立場になると、
「ほめる」って難しいなと感じました。
書いてきたコピーが、まぁ良いかなと思っても、
本当にほめていいのか?と悩みます。
「ほめる」という行為は、指針です。
と同時に、その人の限界を作ることにもなる。
そう考えると、「ほめる」って難しいです。
新人だった頃の僕も、もしかしたら、
そこそこのコピーを書いていたのかもしれません。
だけど、師匠はあえて、ほめなかったのでしょう。
「ほめない」という優しさもある。そう気づきました。
最初にほめてくれたひとがいるから、
そのときのぽーっとした感じが忘れられないから、
この仕事を続けている気がします。
まぁ、ほめられることが目的に
なってしまうのは、違うとは思いますが。
と、いうわけで。これが最後のコラムです。
途中、ぽっかり穴をあけてすいませんでした。
そして、1週間ありがとうございました。
来週は、TCC新人賞同期のTBWA HAKUHODO山口千乃さんです。
よろしくお願いします!