リレーコラムについて

趣味の意識

古橋亮羽

新しく知り合った人などに「趣味はなんですか?」と聞かれることがある。
その問いに僕は長いあいだ「音楽を聴くこと」や「映画を観ること」と答えていた。
でも考えてみれば、音楽や映画なんてみんな好きじゃないか。
わざわざ趣味と言うほどのことではないのかもしれない。

そう、僕は「ほぼ無趣味人間」だったのだ。

ああ何か趣味をつくらなければ。

そう思いはじめたのは、去年の秋頃のことだった。

まず釣りに行ってみた。
当時の会社の近くに釣り堀があり、ずっと気になっていたからだ。
中に入ってみると意外に人が多い。
魚たちもすでにお腹いっぱいなのか、ぜんぜん釣れる気配がない。
結局、釣り堀にはそれっきり行かなくなった。

次にボルダリングに行ってみた。
5年くらい前から、ずっとやってみたいとは思っていた。
しかし休日のジムはいつもごった返している。
人が多すぎて、なかなか登れない。
結局2、3度行ったが行く気が失せた。

趣味をつくることの、なんと難しいことか。

無趣味コンプレックスをこじらせているうちに、
もう年は暮れはじめていた。

仕事を納め、いつものように帰省する。
年末年始。実家のテレビをつけると、どこも特番がやっている。
気がつくと僕は、お笑いの番組ばかり見ていた。
昔からお笑いを見るのが好きだった。

そういえば、お笑いのライブって観に行ったことないな。
よし、東京に戻ったら行ってみよう。

新しい年とともに、ほぼ無趣味人間に一筋の光が射し込んだ。

それから半年…

「趣味はなんですか?」と聞かれたら、いま僕は「お笑い鑑賞」と答えている。
お笑いライブは楽しかった。ようやく見つけた僕の趣味だ。
けれど、ふと冷静になって思う。
音楽や映画とたいして変わってないかもな、と。

「趣味」って、なんだろう。

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グランジの五明さんからバトンを受けとりました、
電通ヤング・アンド・ルビカムの古橋 亮羽(ふるはし りょう)と申します。
今年、新人賞をいただきました。
本文にも書きましたが最近お笑いライブによく行ってまして、
グランジさんは何度も劇場で見てたので
新人賞同期に五明さんがいたときはびっくりしつつ嬉しかったです。
これから1週間よろしくお願いします。

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NO
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