リレーコラムについて

私の最終回はターゲットの話

尾崎敬久

みなさん、ご機嫌いかがですか。今週のコラム担当=尾崎です。
私のコラムもいよいよ今日が最終回。そこで今回は私自身の感想を交えながら、「ターゲット」について書いてみようと思います。

リレーコラムを引き受けたのはいいものの「毎日なんでもいいから書く」という「お題」は、やはり難しいですね。「何かの課題を解決するため」に仕事をしてきた私が、いきなりコラムニストになれるわけがありません。だから私はある意味で、このコラムも広告をつくる時と同じ気持ちで書きました。つまり「ターゲットを設定して」書いたのです。

このコラムにどのような「課題」があるのか、私にはよくわかりません(クライアントが誰なのかもよくわからないしね)。だけど、「誰がこのコラムを読みたがっているのか」「このコラムを楽しみにしている人はどんな人なのか」を考えることはできる。ターゲットの顔が見えたほうが、私自信も書きやすい。そうやって考えていくと、ターゲットは、実は「私」でした。私もTCC会員ですが、TCCに対する興味や憧れは、会員になる前となんら変わっていません。だから、TCCのことが知りたい。同時に、コピーが大好きだから、コピーに関する話を聞きたい。私自身がそう思っているのです。つまり、私を喜ばせるコラムにすればいい。ということで、今日までのような内容にしました。広告学校に通っている人、TCC新人賞を狙っている人、本屋で「○○○○全仕事」とか「コピーライター」と書かれた本を見つけるとつい手に取ってしまう人、そしてそれを思わず買ってしまう人、それが私であり、そういう人がこのコラムのターゲットだと考えたのです。

コピーを書くとき、ターゲットは必ず存在します。それが誰なのかを見極めること、これもコピーライターの仕事だと思うのです。よくクライアントが「今回のターゲットは20代・30代の男性です」というような説明をしてくれます。確かにそれは間違いじゃない。だけれど、本当にその商品を必要としているのは「どういう人」なのか、その人は「なぜ」必要としているのか、をより具体的に、より深く落としこんで考えていくと、かなり的(ターゲット)は小さくなるはず。最終的には1人になる場合だってある。「今まで会ってきた中のアイツ」とか、あるいは「自分」とか。その人に目がけて打ち込めばいい。それが「ターゲット」であり、それが「キャッチコピー」だと思うのですが。

かなり個人的な主観で書いているので、ほかのコピーライターが私と全く違う話をしたとしても、それは当然だと思います。だって、コピーの世界に「正解」なんてものは、ないのだから。伝われば、勝ち。それが一番ムズカシイんですけどね。

といったところで、私のコラムを終わりにしようと思います。読んでくださったみなさん、短い期間でしたが、ありがとうございました。反響をくれた少人数の方たちも、ありがとう。誰か1人でも参考になってくれた人がいれば、それで良かったと思います。

最後に。9月27日(月曜日)からは、今年(99年度)TCC新人賞を受賞して会員になった、ヤスダユミカさんがこのリレーコラムを担当します。どうぞお楽しみに。
それでは今日は、このへんで。

また、いつか。

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