中華料理の名前を必殺技として再定義してみる。
なぜ、漢字を羅列すると必殺技っぽい気がしてくるのだろうか?「北斗百裂拳」にしろ、「魔貫光殺砲」にしろ、一見なんかよく分からない漢字を適当に羅列しているだけなのに、必殺技っぽい。そもそも、漢字を適当に羅列してしまうと、普通は中華料理の名前みたいになってカッコよさとは程遠い物になってしまうのではないか? ここ一番、ピンチを好機に転ずる必殺技なのにメシの名前に思われてしまっては塩梅がよくないわけで、結構必殺技というのはギリギリのネーミングセンスで成立しているのだなぁ、と思う。
ここで、さらに疑問が浮ぶ。必殺技が中華の名前みたいなのであれば、逆に、中華料理の名前を強引に必殺技として再定義できるのではないか、と。それによって、さらに、どの漢字を組み合わせちゃうとメシ感が強くて、どの漢字が入っているとメシの名前でも必殺技として強く成り立つかが浮き彫りになっていくだろう。これは文化人類学的にも有意義な思考実験である。と。思う。
中華料理のメニューをみながら検証してみよう。
■小笼包(小籠包)※文字化けの可能性があるので、カッコ内が中国字。
のっけから、かなりいい線いっている。字は違えど、「包」が波動砲とかの「砲」を想起させ、。「笼」もなんかごちゃごちゃしていて強そう。いかんせん字面がすでに「ショウロンポウ」としてメジャーなのが悔やまれます。小さい線条を手の平から出し、気功波のように相手に食らわせる技。
■回锅肉(回鍋肉)
もちろん、ホイコーロー。そもそも、「肉」という字が結びにくると一瞬でメシであることがバレるが、強引に必殺技化していくなら、凄まじい回転の中に的を巻き込んでミンチ状態にする、という結構エグめの技。
■清蒸大闸蟹清(清蒸大螃蟹)
この辺になってくると、だんだん必殺技感が強くなる。字数が多いと必殺技感は増すということだろうか。「カニ」の字がやはり鬱陶しいところだが、灼熱の疾風を起こす系の必殺技だろう。本当は蒸した上海蟹。
■红烧狮子头(肉馅饺子煮)
肉団子の醤油煮だが、最後の「斗」みたいな字がかなり必殺技感を醸成。「紅」「焼」の字も炎の印象としては二重丸。炎系の爆発的な必殺技。ドラクエでいうイオナズン。あ、獅子っぽい漢字があるからドラゴラムかもしれない。
■豉汁蒸排骨
骨法の範疇で編み出されたもの。相手の頭蓋骨をいとも簡単に砕く秘技。『タフ』でいうところの朝昇とかが使いそうなイヤ〜な技。その実、スペアリブのトウチ蒸し。
■水饺
これは、滝のような水を自由自在に操って、蛇の形にし、敵を締め付ける技。漢字の羅列系で飽和した、必殺技業界に「そう来たか」と思わせる、たった二文字の大技です。フリーザが第四形態に入り急につるっとしたことと考え方は同じ。水餃子。
■南斗水鳥拳
中国南西部で提供されるアヒルの足をネギ、ナツメ、少量の唐辛子とともに丁寧に煮たもの。スープは澄んですっきりした味。二日酔いに効く。
■炎殺黒龍波
山東省の郷土料理。地元で獲れる大うなぎを強い火力で一気に焼く。外側のこげたところを向くと中からはそのグロテスクな容貌にそぐわない淡白な白身が味わえる。
って、あれ?!ちょっと待って。メシの名前とワザの名前の区別がつかなくなってきた・・・、並びまくった漢字をずっとみていると、ゲシュタルトの方が崩壊を。。。あれ?緒形拳はワザ?馬喰横山はメシ?キミはカンイチ?僕はジュリエット?
自我の方が崩壊してきましたので、この辺で。
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