平野くん
コピーが書けずにくるしくなると神社行きます。
ごくたまにですけど。
その日も書けなくてくるしくてゲロ吐きそうになってて
家に帰る途中にあった鳥居をくぐりました。
神様があわれに思って、
ちょっと力を貸してくれるんじゃないか。
って思う甘え。
自分でいうのもなんですがそういう甘えがぼくにはある。
神社と思ってたその場所は、
神様じゃなく、
とある幕末の志士を祀っていた。
志士の名は平野国臣。志半ば、37歳で処刑された。らしい。
平野くん(ぼくより若いまま死んだから、くん)の
詠んだ歌が石碑に刻まれていた。
暗がりの中、目をこらして読んでみた。
「わが胸の 燃ゆる思いに くらぶれば 煙はうすし 桜島山」
まじか。
あのゴウゴウと煙を出し続ける地球の鼓動、桜島。
最初見たときぼくはただすげーとしか思わなかった、桜島。
でも平野くんにとっては「おれの胸にたぎる熱のほうがぜんぜんすげー」だった。
コピーを書けずに泣きついてきたぼくに平野くんは問う。
じゃあおまえは何が書きたいの?何に燃えてるの?と。