リレーコラムについて

空気良かった

中村直史

場の空気が良かったです。
っていう話です。

昨夜、FCC(福岡コピーライターズクラブ)の審査会でした。
会場は電通九州11階のホール。
審査員は、特別審査員として篠原誠さん、福部明浩さん。
昨年最高賞の西田良平さん。
会員審査員として、
左俊幸さん、久冨和寿さん、眞鍋海里さん、岡田賢さん。

朝から審査して、FCC賞を30本くらい決めて、
で、15時から公開審査。そこには、
一般のお客さんも何十人?か100人くらい?が入って、
入賞作を一本ずつ見ていきます。
そして、審査員たちが、
入れた、入れなかった、どこがよかった、よくなかったと話していく。
審査員がつくった空気っていうのは確かにあったかもです。
あ、あと司会。
手島裕司さんと永野弥生さん。
この2人がつくった空気もある(ほんと場を気持ち良くするから日本中で司会に呼ばれてしまえばいいって思う)。
あと、観客の雰囲気が良かったのかなあ。
選ばれた作品の良さ、もあったと思う。
でもいま考えてみると、やっぱり、制作者と審査員の視線が
良かったんじゃないかなあと思います。
最後のほうで福部さんが、
最高賞をとった長崎バスのCMを評する中で、
すごくいい感情っていうのはだんだん
笑える泣けるの壁をこえてよくわかんない感情になる、
的なことを言ったんですが、
この発言に代表されるものが昨日のセレクトや
議論の底のほうにあった視線なんじゃないかという気がします。

人生とか感情って不思議で複雑で、
でもだからそれがおもしろいのかもしれないとか、
だからこういうこと言っちゃダメなのかもみたいなやりとりが、
制作物と審査員と司会と観客の間で、
なんかこう空気のかたまりとなって
ずっとやりとりされていたような気がします。

最高賞の長崎バスは圧倒的にすばらしいですね。
いままで何回も見てたのに、昨日はじめてそこまで思いました。
あの昨日の場の空気の中で見たから特にそう思ったんだと思います。
長崎バスの描くニンゲン、
黒伊佐錦の描くニンゲン、
村田葬儀社の描くニンゲン、
パイロットの描くニンゲン、
五ヶ瀬ハイランドの描くニンゲン、
どれもただ笑うとかただ感動とかじゃなく
複雑な感情に向かい合っているようで、
ホールにいた人たちは、きっとみんな言葉にはできないのだけど、
生きててよかったかもなあという
感じがしたんじゃないかと思いました。

ちなみに中村はなんにも賞が取れなくて
ずっともんもんと死にたい気分でした。

それでもいい会と思ったから、いい会だったんですほんと。

そんな福岡コピーライターズクラブの新代表、
久冨和寿さんにバトンを渡します。
まだあまりちゃんと話したことがなくて、
酔ったとこしか見たことないですが、
いろんな感情の壁が取り払われているような
複雑なニンゲンだと思います。

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