ドMなSさん。
ドMというより、つらく厳しい仕事が
なぜかSさんには降り注ぎつづけるから、(でも笑っているから)
僕からはドMに見えてしまう。
出会ったのは、自転車ロードレース。
「初心者の足慣らしに良いレースだよ」との知人の薦めに乗ったら、
つくばサーキットでの8時間耐久レースだった。
長いなあ、8時間…。
集合場所にいく道で、いきなりパンクした僕を
Sさんたちは笑顔で迎えてくれた。
移動のクルマでは二人ともレース初心者、なぜいきなり
レースに出るのか、良くわからない同志。
ほどなくして、二人とも広告屋、
カンヌが欲しいモノ同志ってことで意気投合した。
レースでは一巡目から、僕とSさんの自転車は故障。
タイヤごと人に借りた。
あらゆる点で、チームの足を二人で仲良くひっぱった。
とんだお荷物人員だったが、真夏のレース場の
照り返しで誰よりもムダに日焼けした。
プロアスリートの父親をもつSさんは、
生まれた直後に、その小さな小さな足を父親がじっと見つめて...。
「これじゃ勝てねえ」
と言われたそうだ。陸上の世界は厳しい。
大学では完全な体育会、寮生活では優しい先輩たちとの
拳が壊れるほどのファイターな日々が続いたそうだ。
あ、ファイターではなく、サンドバッグのほう。
なので、心とカラダのストレスセンサーが飛んでしまっている。
どんなに、危ない仕事、危ない人種のひとの仕事でも
「でも、◯◯飛んで来ないし、◯◯されないから、社会って優しいですよね」
と笑う。Sさん。
なにが飛んで来ていたのだろう。
初めて仕事を頼んだときは、Sさんは宴会中だった。
「今からでも、いいですか」と、宴を抜けて、快く受けてくれた。
海外の受賞を経て、新しいステージに進んだSさんだけど、
きっと今も、キツい仕事をしているに違いない。
また近々、一緒に仕事したい。
キツい部分はSさんにお任せして。
次回は、最高のプロポーズをしたKさん♪
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