リレーコラムについて

だがや界隈

古居利康

千駄ヶ谷から北参道にかけての界隈が、
ダガヤサンドウと呼ばれて静かな人気だそうです。
誰がつけたか、名前をつけたのがたぶんよかった。
名付けによってこの区域が可視化されたのです。
千駄ヶ谷の「だがや」は名古屋弁みたいだと、
名古屋生まれとしてはだいぶ前から思っていました。
「千だがや」から始まって、「万だがや」「百だがや」と、
だがやシリーズがつくれそう。究極は「億だがや」で。
何の意味もなく。ただの言葉遊びで。

ダガヤサンドウには鳩森八幡神社があり、境内に
富士塚があります。都内でも指折りの美麗な富士塚です。
ほんもの同様、一合目から始まって二合目、三合目と
続きます。登頂時間は1分ほど。江戸時代、おいそれと
富士山まで行けない庶民がこしらえたミニ富士山。
行かなくても行ったのと同じご利益がある。
とても合理的な知恵を感じる、お江戸のコンセプト。

ダガヤサンドウの一角と呼んでいいのかどうか、
新国立競技場の工事現場があります。
東京体育館の裏手の階段上から一望できるので、
時々覗きます。一時期、内側のトラック部分をかなり
地下深く掘り込んでいました。あそこまで深い地下は、
何のためだろう。何かの施設用か。駐車場か。ひみつ基地か。
いま観客席の骨格も見え始め、建築物としての存在感が
出てきました。2年後が楽しみです。

その向こうに旧都営霞ヶ丘アパートの広い敷地があります。
去年取り壊され、高い塀に囲われてずっと工事中です。
その一角にあった「外苑マーケット」という
ささやかな商店街。というか、学校の購買部みたいな
室内施設。魚、野菜、肉、お米、日用雑貨を扱っていました。
昭和の匂いがプンプンでしたが、もうあとかたもありません。
外苑マーケットの角を折れ、勢揃い坂というゆるやかな
坂道を登っていって、神社の角を左に行けばサン・アドです。
移転して早9年。大手町時代を知らない若い社員も
増えてきました。時は容赦なく通り過ぎていきます。

1週間ありがとうございました。
次はサン・アドの同僚で、TCC1988年の同期の
大友美有紀さんです。超多忙な様子なのにお願いして
しまいました。大友さんよろしくお願いします!

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