リレーコラムについて

加点法

天田武史

久山さんの最後のコラムでずばり指摘されているとおり、
英語を使って働く環境にいるにもかかわらず、英語の習得が遅いです。
ワイデン+ケネディ トウキョウのメンバーは
おおよそ半分が日本人、残り半分が外国出身で、
英語に触れる機会が多い恵まれた環境なのですが、
なかなか苦手意識が払拭できません。

つい先日、NHKのSONGSという番組で小沢健二氏が語っていました。

「日本人は何年も英語を習っているから、喋れない。
 日本の英語は減点法のテスト。日本人は間違えたら怖いという恐怖がある。
 でも、外国語は間違えながら覚えるもの。
 そして、意味が一つ通じるたびに、1点1点、加点法で心が通じていく。」

いやーもうほんとそのとおりです。学生時代の名残か、
間違えたくないという気持ちが先に出てしまうことにも反省しきりです。
がんばらないと。

話は変わって、僕には息子が3人います。
長男が5歳。双子の次男と三男が2歳です。
その双子がただいま絶賛日本語を習得中で、
よくよくその様子を観察していると、
親や兄ちゃんの言った初耳の言葉でも
とりあえず使ってみよう!しゃべってみよう!
というコミュニケーションへの情熱が見えてきて、とっても興味深いです。

親「そういえば、もらったういろうあったよね。食べようか」
双子「もらったね〜」「ういろうあるね〜」「たべようか〜」

「ういろう」がなんだかわかってない、けれど
なんかちょっと特別な食べ物っぽいぞ感だけは察知して、
「ういろう〜」となんどもなんども繰り返す。

で、これが「ういろう」だよと切って食べさせると、
あまくて美味しいこれが「ういろう」だったか!
という概念を手にいれる。

するともう、そこからしばらくはういろうの繰り返し。
彼らにとっては、甘いものがたべれるかどうかという死活問題らしく、
「ういようがいい!」とか「ういろんたべる〜」とか、
ちょっとくらいの言葉の間違いなんておかまいなしに、
「あれだよ!あれ!お前らわかってんだろ!?」的なニュアンスを
前面に押し出しながらふたりでガンガンに主張してきます。

で、狙った通りにういろうが出てくると、
そうそうこれこれ!みたいな表情をしてふたりで食べる。

そんな姿を、これってまさに加点法で言葉を学んでるなあ、
パパもこんな気持ちで英語に触れられるようになりたい。。。
と、ちょっとくやしい思いをしながら見ています。
負けないようにがんばらないと。

久山さんからバトンを引き継いだ
ワイデン+ケネディ トウキョウの天田武史です。
一週間どうぞよろしくお願いします。

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