京都のころ
大人になってからだが、
2年間ほど、京都に住んだことがある。
それまで、関東にしか住んだことがなかったので、
街中から山が見えることに感動した。
とりわけ川沿いの雰囲気を気にいった。
鴨川を三条から上流へと散歩する。
歩き疲れても佇まい美しい喫茶店がすぐに見つかるのが
この街の良いところだ。
良い喫茶店では、ただぼうっとしていても、
思索に耽っているように見えるところがよい。
京都出身の当時の上司は冗談で、
「京都人は最寄りの駅に行くまでに2回お茶をする」
と言っていた。
薄曇りの冬の日に、背中を丸めて川沿いを歩く。
雪の上に、足跡が上流へと伸びていく。
世界はとても静かで優しかった。
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