偉大。
ニール・ヤングの「ALREADY GREAT」がいい。
オールレディ・グレイトとは、アメリカに向けた言葉です。
ニール・ヤングは、愛するアメリカに(自身がそう言っています)
YOU ARE ALREADY GREAT 「もう君はすでにグレイトじゃないか」
と歌いかけています。
困っている人がいれば、手をさしのべる(あなた)はグレイトだし、
(あなた)は、約束の地そのものじゃないか、とも語りかけます。
これは「再びアメリカをグレイトに!」
ご存知、トランプへの皮肉を込めたメッセージです。
政治、弱者を知らない、無知、無恥、女性蔑視。
誰もが感じ、誰でも知っている(恐らく)事実です。
頭ごなしに不幸な大統領を揶揄することは、誰にでもできます。
でも非難するにも、やり方があるだろう。
曲を聴いていて、それがニール・ヤングだ、という気がしました。
ニール・ヤングといえば、1970年の「オハイオ」も記憶に残ります。
オハイオ州のケント州立大学でベトナム反戦の学生4人が、
州兵の一斉射撃によって撃ち殺されます。
事件はLIFEの表紙にもなり、それを見たニール・ヤングは、
わずか1時間で「オハイオ」を書き上げたと言われています。
この時の詞には、ニクソンが登場します。
「ブリキの兵隊とニクソンがやってきて、もう僕らは孤立した。
この夏、ドラムの鳴る音が聞こえて、オハイオで4人が死んだ。(中略)
もし、キミの彼女が撃たれ、命を落としたとしたら、
どうして逃げることなんかできるんだ?」
訳は、私の感じなので、はなはだ不安定ですが、
おおむねこのような内容だと理解してください。
私は、小学校6年の時にビートルズを聴き、
中学校2年になった6月には、武道館公演の観客席にいました。
英語はダメですが、訳詞を頼りにロックから
言葉を学んできたような気がしています。
ニール・ヤングもそのひとりで、彼の言葉には、
(1970年からですから)かれこれ50年近くも影響されてきました。
この経験が、コピーライターになるきっかけになったと
いまになって気づきますし、受け続けた強い刺激が、
仕事の体力になってきたと信じています。
それはニール・ヤングにとどまらず、 倉庫に眠っているレコード、
本棚に収まっているCDの中にいる
すべてのミュージシャンからの贈り物なのかもしれません。
これからもロックを先生に、
自分の仕事は続いていくのだろうと思っています。