永代橋
春と夏の間の気持ちよく晴れた日曜日、
私は門前仲町方面へ向かって買ったばかりの真っ白な自転車を颯爽と漕いでいました。
私には珍しくご機嫌なテンション。
鼻歌まじりにそこそこなスピードで街を走っていると、
やがて永代橋が見えてきました。
大きな橋の上から眺める隅田川の景色は見晴らしも良く、
初夏の気持ちのよい風が抜けて行きました。
橋の終わりのゆるやかな下りに差し掛かったところ、
突然頭をなぐられたような衝撃に襲われました。
驚きと痛みで私は自転車を急停止させ、
てっきり街路樹の枝にでも頭をぶつけたかと思い後ろを振り返ったのですが、
それらしい樹は見当たりません。
その時、頭上でカラスの「カー!!!」という声が聞こえました。
太い木の枝だと思ったものは、ガッサガサの、カラスの足だったのです。
私のご機嫌な日曜日は、カラスにとって不快でしかなかったのでしょうか。
以来、調子に乗らないように生きています。