ハレム美容室
中村聖子さんからバトンを受け取った手島です。
自己紹介がてら、僕の生まれ育ちの話を…。
僕は、パーマ屋の息子です。
お店の名前は「ハレム美容室」です。
物心つくまで、ハレムという言葉の持つ
魔性に気がつきませんでした。
幼い頃、僕は、なぜ「ハレム」なのかパパにたずねました。
パパは「フランス語で<女の城>という意味だよ」
と、やさしく教えてくれました。
「女の城かぁ」僕は、リボンの騎士のお城を思い浮かべていました。
ハレム美容室は、先生と呼ばれる母と、
住み込みの若い女の人たちで運営されていました。
若い女の人たちが寝泊まりする部屋は、
僕が寝ている部屋の隣にありました。
夜中、トイレに行くとき、僕はその部屋を通らなければなりませんでした。
当時の女の人のパンティは、薄いナイロン製でした。
僕は、子どもの頃、いっぱい見ることができました。
ばっちり、透けていました。
パパは、酔っ払って帰ってくると、
若い女の人たちを追いかけまわしていました。
女の人がお風呂に入っていると、
強引にドアを開けようとしたり・・・。
でもパパは、乱暴者ではありません。
目を閉じたまま写ってしまった免許証の写真に、
ボールペンで目を描き込むような、
繊細な心を持った大人です。
そしてパパは、やさしい人です。
若くしてハゲに悩んでいた僕のために、
「医者が、ぜったい生えると太鼓判を押している薬」を
持ってきてくれたりもしました。
説明書を読むと「絶対、頭皮には使用しないでください」
という注意書きがありました。
眉毛とか、体毛に使用する薬だったようです。
そんな家庭で育った僕は、
パーマ屋の息子だった甲斐よしひろ氏がそうであったように、
ロックバンドの道を歩み始めるのでした。
(つづく)
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