東京
コピーライターの通信教育にダマされた僕は、
受講料を取り戻したくて、
地元のプロダクションでバイトを始めました。
バイト始めたとたんに、こりゃヤバイ世界だと知り、
公務員試験を受けてエスケープしようとしたのですが、
不採用になり、しかたなくコピーライターになりました。
数年後、僕は、上京して一旗上げようと思い立ちました。
先輩たちが、いろんな人へ紹介状を書いてくれ、
友人たちが集まり、熊本空港で万歳三唱をしてくれました。
生まれて初めて行く東京でした。
2週間後、
僕はホームシックになって、
熊本に帰ってきました。
熊本の実家の近くに
「しょうけい堀」というドブ川があるのですか、
そこにかかっている橋を、
どうしても渡りたくなったのです。
渡れないと思うと、呼吸困難になるのです。
いますぐ、あの橋を渡らないと。
そのためには熊本へ帰らないと。
あっさり決断した僕は、
アパートの敷金に用意していた金を
歌舞伎町でパーッと使って、
いそいそと熊本へ帰りました。
あ、日劇ミュージックホールの
最終公演も見に行ったっけ。
東京では、小山卓治という
ミュージシャンの部屋に居候してたのですが、
彼が「アリーナ37°」というロック雑誌で、
僕が上京して成功するまでを
連載小説にしてくれる予定でした。
でも、しょうけい堀の橋のせいで、
3回で連載は終わりました。
その小山卓治の「下から二番目の男」という歌に
「最悪とまではいかないが、ここぞってとこでキマらねぇ」
という歌詞があるのですが、まったくそんな人生です。
ちなみに小山卓治は、なかなかブレイクしないけれど
今も元気にライブやったりCD出したりしてます。
<小山卓治最新情報>
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珠玉の短編小説集を彷彿とさせるコンセプト・ベスト・アルバム。《NG!》から《夢の島》まで、新たな命を吹き込まれた15のストーリー(デジタル・リマスタリング+新録音+ライブ・テイク)に、書き下ろし掌編小説を併録。42Pブックレット付。
定価:¥3,150(TAX IN)
http://www.ribb-on.com/takuji/top.html
どなたか、CMとかに使ってくれませんかねぇ?
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