隠れ営業志望の男 その1
ある就職活動中の学生がいた。
人生に対しての野望などほとんどなく、
代理店の営業マンにでもなって、かっこいいクライアントを担当して、
かっこいいCMをながして、モデルのお姉ちゃんとメシ食って、
ベンツでも乗り回して、ちゃらちゃら生活するのが夢。
当然、就職活動の全モチベーションはそこからフツフツと湧くのだった。
彼は代理店上位5社の面接を受ける。
持ち前のノリのよさで、いくつかの会社では調子よく進んでいった。
「けっこう楽勝じゃん」
世の中をなめている、とはこういう男のことを言うのだろう。
こんなヤツは地獄におちろ、とあなたは思うでしょう?
おちるんです。
結果、全社で不採用。
「こんなはずじゃ…」と悩んでるうちに、就職活動シーズンそのものも終わってしまった…。
安酒をあびる悶々とした日々が続く。
女もあいそつかして去っていった。
親にも見放されそうになった。
そして彼はようやく、人生についてまっとうに考えはじめていく。
「俺はいかに飯を食うのか?」
「俺は何ができるのか?」
でも、さっぱりわからないんですね。不幸なことに。
この男は僕です。
つづきは明日。
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