リレーコラムについて

鵜久森徹

私は食べるのが大好きです。だからと言って
決して美食家でもなければ、ウンチク野郎でもありません。
ただ好きなだけ。趣味のひとつですね。

で、この季節にぜひ食べておきたいのが鱧。
一般的によくあるのが「落とし」という調理法で
みなさんご存知のように梅肉をつけてさっぱりと食べる
いかにも夏向きの味です。定番ですよね。
ま、確かに「落とし」も嫌いではないのですが、
私のなかの一番は圧倒的に「鱧しゃぶ」。うまいなんて
ひと言ではとうてい片付けられません。いまだって胃袋が
欲しがって仕方ないくらいです。鱧のしゃぶしゃぶですから
当然、夏の暑い最中に鍋の登場です。とにかく熱い。
額に汗がふきだします。グラグラと煮えた鍋のなかには
うっすらと黄金色に輝くダシがはってあって、このなかで
鱧を2、3回さっと泳がせてポン酢につけて口のなかへ。
個人的にはあまり熱を通さない、半生よりも
さらに生っぽいのがお薦め。なんだか簡単で、すぐに味が
想像できちゃいそうでしょ。私も最初はそう思ってました。
正直言ってなめてました。今となっては恥ずかしい限り。
舌で押すだけでとろけるように身がくずれて、鱧の甘みが
口いっぱいに広がります。鱧の骨っぽさも、どこへやら。
白ネギと一緒に食べると、ほのかな辛味と苦味がプラスされ
たまらない味わいなのです。まいりました。旨すぎます。
確かにお値段のほうはかなりよろしいのですが、
それ以上の満足があるからついつい奮発して食べちゃって、
後から財布が軽くて心細くなることもしばしば。

それにしても、こんなこと書くんじゃなかったかな。
ものすごくお腹がすいてきた。鱧なんてゼイタクは言わない
けど、何かうまいものでも食べないとやってられないなぁ。

NO
年月日
名前
5720 2024.07.18 権八成裕 20年ぶり2回目
5719 2024.07.12 吉兼啓介 短くても大丈夫
5718 2024.07.11 吉兼啓介 オールド・シネマ・パラダイス
5717 2024.07.10 吉兼啓介 チーウン・タイシー
5716 2024.07.09 吉兼啓介 吉兼睦子は静かに暮らしたい
  • 年  月から   年  月まで