ウソのような本当の人
ウソのようなホントの話といいますが
ウソのような本当の人というのもいるもんです
友人のS君、彼の食欲にはホント驚かされます
ある時、メシでも食おうと言うことになり
たまたまトンカツ屋と中華屋が並ぶ渋谷の路地にいたときです
「どっちにする?」とS君が聞くもんだから
「じゃあ、中華!」と答え、そのまま店へ
あー、満腹、満腹と言って、店を出ると
「じゃあ、トンカツ屋行こう」とS君
「えー!!」
「なに言ってるんだよ、オレは入る順番を聞いたんだよ」とS君。
飲んだ仕上げはラーメン屋が相場なのに、彼は焼き肉屋なのです
タン塩、ロース、カルビ、焼き海苔をおかずにライスを2膳
これは彼の毎回のコース、これだけでも圧倒されるのに
店を出ると必ずこう言います
「10分待ってて、吉野家でちょっと食って来ちゃうから!」。
深夜、あまりにもお腹が空いたので何かないかと冷蔵庫を探るS君
そこに豚コマが、卵もあったのでこれ幸いにと
お皿に豚コマを載せ、ご丁寧に卵の黄身をその上に
彼の中ではユッケのつもりだったのでしょう、
焼き肉のたれをかけて豚肉を生でバクバク
2時間後、高熱と強力な下痢と吐き気におそわれ、
生まれて初めて救急車に
「死ぬかと思ったよ!でも、うまかった!」とS君。
「たまには、S君行きつけの色っぽい店に連れてけよ」とバーで誘ったら
「ダメダメ、最近オレぜんぜん遊んでなくて、
もう女の子のいる店わからないよ」とS君
行く当てもなく店を出たらピンサロの呼び込みのお兄さんに
「◎◎さん、昨日はどうも、今夜も来てくださいよ」
「バカヤロー、名前で呼ぶんじゃない!」とS君。
そんなS君から先頃電話がありまして
「いやー、42になったよ、ついでに結婚することになちゃってさ!」
こっちも思わず「ウソー、ホント?」と言ってしまいました。
S君は某大手芸能プロダクションの役員です
彼を役員にする会社がウソのようだけどホントにあるんですね。