趣味がないのは私だけ?
奥田英輝
●たまに答えるアンケートや、人に聞かれて困るのが、「趣味は?」という質問である。アルバイトを中心に、これまで何度か履歴書を書いたが、お決まりのように「音楽鑑賞、読書」と書いてきた。別に特別好きってわけじゃないのに。
●よくお客さんに、「今度ゴルフ行こうや」と、お誘いを受ける。「しないんですよ」と言うと、「アカンで、サラリーマンやったらゴルフくらいせんと」と何度言われてきたことか。おもしろさも解らないうちから練習しないといけない、結構お金がかかる、ゴルフに手を出さないのは、それらの理由からである。いざやってみればハマりそうな気がするのだが、たぶん生涯クラブを握ることはないと思う。
●唯一趣味になりかけたのがマージャン。最高に面白いゲームだと思う。覚えかけの頃は、朝から晩、そして翌朝にかけて、というケースが多かった。面白いがゆえ、時間の経つのもあっという間である。趣味にならなかったのは、異常なくらい弱く、負けつづける日々が続いたから。パチンコも同じく。僕ほど博才のない人間はいないと思うほどである。
●僕はサラリーマンである。このまま年老いて定年を迎え、仕事がなくなった日を考えると結構恐い。今でさえ休日の楽しみは子供と遊ぶくらいだが、それも小さい間だけでもう長くはないだろう。せめて40までにはハマる事を見つけたいと思う。
●次は銀座の植松眞人さんにバトンタッチ。映画や本、落語(その他いろいろ)に関する知識たるものは、ハンパじゃありません。みなさん、こうご期待!
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