バーチャル・チーム
世の中「バーチャル」流行り。現実には不可能なことを疑似体験
できる快感と興奮に、ハマる人は多いみたい。
シカゴマラソンにもバーチャル・チームがありました。
高橋尚子なみのスピードで走りが体験できる?! いえ、各自の
レベルに合わせて自主トレする人のチーム。ひとりでやってるん
じゃないと思わせるところがバーチャルなんでしょうか。
メンバーになるや毎日メールが来ます。
「吉沢佳子のきょうのトレーニングメニュー」。
書いているのはハル・ヒグドン。70歳。元選手。いまも7か月間
に7回フルマラソンを走る現役ランナーにして、シカゴで出版され
ている「ランナーズ・ワールド」の主筆。彼のHPは地元じゃ
大人気だそう。
その彼がくれるんです。今日は6マイル(9.4km)。明日は10マ
イル(16km)。次は休め・・・。数行のコメントがついていて、
これが実に私の現状にぴったりはまる。練習を見てるんじゃないか
と思うほど。
本当のこと言うと、私、シカゴのレースはとても迷っていました。
行ったことがない街だし、今回は同行者もいない。
思い切ってマラソンのホームページに書き込みをしてみた。
「こちらジャパニーズ・オールド・フィーメール・ビギナー・・」
そしたらたちまち返事の山!
あっけないほど簡単にホテルは決まり、まだ顔を見たこともない
バーチャルフレンドからシカゴの気候やマラソンについての
ほしい情報をもらい、チームにも入れた、というわけ。
テロにもめげずレースは決行で、前々日、ヒルトンでバーチャル
パーティーが行われました。ついに仮想チームは現実のチームに
なったんです。
ハル・ヒグドンはもちろん、デニスやジョーやアマンダなど、メル
友とも「感激のご対面」。ネットでここまでできるとは思っても
みなかったこと。4回フルマラソンで、こんなに友達ができたのは
シカゴだけです。
走っている途中、むくつけき大男にポンと背中をたたかれて、
「あ、パーティーに来てた・・・」。
いろんな励ましに支えられて4:45:00の自己ベストが出ました。
おまけにケニアのキャサリン・ヌデレバが、高橋尚子の記録を
あっさり塗り替えて、世界新を出してくれてる!
年が明けて、もひとつおまけの大きなメダルが、シカゴから。
何と私、年齢別で女子の5位に入賞だって。きゃー!
体育系で賞を貰うなんて生まれて初めてです。
余勢を駆って3月のロス、走ってきまーす。LA LA LA ♪
すっかりスポーツづいたお調子もんの吉沢佳子の担当はこれまで。
(どこがコピーライターだったんだろ?)
バトンは岩永嘉弘さんへ。今度こそはほんとの大人の、ほんとの
コピーライターです。ご期待下さいね!