リレーコラムについて

6人目のトレーニー

内山奈月

先日、初めてTCCの総会に出席させてもらったとき。
博報堂の大先輩・吉岡虎太郎さんに、

「おめでと〜!井口のトレーニーだよねぇ〜!
すごいねぇ、井口のトレーニーは
どんどん新人賞とってぇ!」

と、声をかけていただきました。


入社1年目のころ、コピーライター養成講座で
博報堂の大大先輩・谷山雅計さんとお話しさせていただいたときも、

「井口のトレーニー?
よかったね、井口の下はいいよ」

と、言っていただいたことがあります。


ありがとうございます!!!!


はい!わたしが、
井口雄大さんのトレーニー(6人目)です!!!!

6人もトレーニーがいるの!?
とよく驚かれますが、
いま井口さんの元には8人目のトレーニーさんが
いらっしゃるみたいです。

すごい…ビックダディ並みの大記録…!!

ちなみに、2014年度に最高新人賞をとられた
山﨑博司さんが、1人目のトレーニーさんです。

リレーコラム2日目の今日は、
わたしが新人時代から大変お世話になっている
井口さんとのお話を書きたいと思います。

だって、わたしが新人賞をとれたのは、
絶対的に井口さんのトレーニーになったからなんです!
(こんなこと、胸を張って言う自分もどうかと思いますが…)


というのも…

そもそも博報堂に入社した当時のわたしは、
コピーライターという仕事を全然知りませんでした。

だから当然、コピーライターになりたいと思ったことも
ありませんでした。


クリエイティブ局の新人研修のときに配られた
職種希望の用紙には、

第一希望:アクティベーションプラナー
第二希望:クリエイティブディレクター

と書いて提出したくらいです。

(ちなみに、当時のわたしは、
新人もCDに配属されると本気で思っていました…。恐ろしい…。)

「コピーライターって、言葉しか書かない仕事?
だったら、わたしはいろいろできる職種がいい!」

そんなことを考えていた気がします。


わたしは、希望が叶って、
アクティベーションプラナーに配属されることになりました。

よーし!あの手この手で人を動かす企画、
なんでも考えるぞ〜!!
と意気込んでいたのですが…

わたしの入社した年には、
「1年目は全員コピーライターを経験しましょう」
というちょっと変わった人事方針があって…。

ゴリゴリのコピーライターである
井口さんの下につくことになってしまったんです。

え…わたし、コピーを書くの…??

なにをすればいいのか全くわからないまま、
打ち合わせにコピーを持っていくようになりました。


そんなある日、
わたしが個人的に超思い入れのあるアイドルグループ、
AKB48の企画を考えるタイミングがありました。

入社して1番気合を入れて、打ち合わせに臨みました。

「内山、AKBのことは誰よりもわかっているなあ!」

と褒めてもらえると思っていたのですが…

ナレーション案を見た井口さんは、
「AKBのメンバーが、本当にこの表現を使いたいと思う?」
と思ったよりも厳しいコメント…。

そして、AKBのことを全然知らないのに、
打ち合わせのその場で
わたしよりもよっぽど深い視点から、
よっぽど寄り添った言葉で
ナレーションを書き直していきました。

「どうして!?」と思いました。

わたしの方がAKBへの想いが強いはずなのに…
すごく悔しくて、情けない気持ちになったことを覚えています。

打ち合わせを終えて、少し時間が経ったあと。
井口さんが、配属されたばかりのわたしの
“OJTノート”に書いてくれた言葉を思い出しました。


「人は、言葉で考え、言葉で夢を見、言葉でそれを伝えます。
という意味で、優秀な人は総じて優秀なコピーライターです。

新しい夢を見て、それを仲間と実現できるように。
自分に厳しく、しつこく、ものを考え、伝える方法を磨いてください。」


コピーライターの、
“言葉の力”を痛感した瞬間でした。



もうひとつ、井口さんに言われたことで
印象に残っているものがあります。

それは、井口さんにアクティベーションの企画を見てもらっているとき。

企画として足りない部分を指摘されたとき、
わたしは咄嗟に
「これは、コピーじゃなくて、アクティベーションの企画なので…」
と言い訳をしてしまったんです。

そしたら井口さんは、急に厳しい表情になって
ピシャッと言いました。

「企画も、コピーでしょ」




企画も、コピー…??




その時のわたしは正直、
井口さんの言葉の意味がわかりませんでした。

でも今は痛いほど感じます。

広告という仕事において、
なにか狙いがあって企画を世の中に出す以上、
いい企画には必ずコピーがある。

コピーのない企画では、
表面上でしか人を動かすことができません。


わたしは井口さんという
コピーライターの仕事を間近に見て、

“コピーライターは
言葉を書くだけの仕事じゃない”

ということを知りました。



入社してからのわたしの目標は、
世の中がこうなったらいいなと思う方へ
人を動かすための、
1歩目を踏み出せる人になることでした。

わたしは、精度の高い言葉で、
人を動かせるようになりたい。
だから、コピーライターになりたい。

そう思うようになって、
わたしは会社にわがままを言って
2年目以降も井口さんのトレーニーで
いさせてもらうことになりました。



井口さんのトレーニーになって3年目の春。
当時の局長から、一通のメールが届きました。


「4月から、正式職名を
アクティベーションからコピーライターに変更しますか?

私のレコメンドは、
初志どおりにアクティベーションをメインにしたまま
コピーも書いていくこと。

でも、覚悟をもって望むなら、職転となります。」


わたしは、迷わず返信しました。

「職転します。」



そんなこんなで、
5人目までのトレーニーさんよりも
ちょっと出遅れてしまったけれど、
わたしはコピーライターへの道を歩みはじめたのでした!

以上、2日目のコラムでした!!


ちなみに…
過去のTCCリレーコラムには、
いろんな先輩が個人名で登場しているので
わたしもそれに倣って書かせていただいてしまいましたが…


みなさん、事前に許可どりとか
されているものなのでしょうか…?


ちなみにわたしは、全くしていません。

勝手にお名前を出してしまったみなさま、すみません。。。


でも、どうしても、
こんな話を書いてもいいですか?って
事前に連絡するのもちょっと恥ずかしい気がしてしまい…。


一応、リレーコラムの投稿用サイトには
あとから編集する機能がついてるので大丈夫ですかね…?笑



>井口さん
たくさんの貴重なご指導、ありがとうございました!
このコラム、きっとすぐには読まれないかと思いますが、
もしも訂正した方がいいことなどありましたら
こっそりご連絡ください…!!笑
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