組に入ってから
2つめの広告プロダクションにいた
26歳の頃、仲畑さんのコピー塾にはいりました。
生徒は8名。ソニーのカタログ、
ドカンと一冊わたされて、全商品のコピー書いたり。
NHKの『青春プレーバック』に師匠が出演したとき、
「青春」を課題にコピー考えたり。
フリーランスになってからは、
生活創庫アピタのナレーションを私が担当して
コピーは仲畑さんだったり。
奥脇さんがデザインするシャープの新聞広告、こさえたり。
30歳のとき。
マネージャーの松前さんから
「ビッグジョンの打ちあわせがあるので、
事務所に来てください」。
と言われ、「なんだろう?」とうかがったら、
ひ〜ろい部屋にテーブルはさんで師匠と向き合うことに・・・。
黙って、すたすたと歩いて、
ガシャッとビデオを再生する師匠。
「ハレル〜ヤ、ハレル〜ヤ、裸のBJ
ビッグジョン、エクストラ」というCF見せられて、
「・・・ということなんよ。これはさ、イトイがさ、
ふざけて書いたんやけど。気にせんでええ。
好きに書けば、ええからさあ」で、終わり。
「はあ・・・」とあっけにとられてるうちに、
3日後、コピー提出することに。
50本くらい、書いたのかな。
3日間かけて考えたコピーは30秒ほどで決まる。
「これ、かなあ」と選ぶ師匠。
「これ、ですか?」と驚く私。
また、すたすたと、ひとりでコピー機に向かい、
うい〜んと私のコピーをコピーすると、
「はい、おつかれ」と原稿のたばを手渡されておしまい。
「さようなら」をして、
そのあと乃木坂から六本木まで歩いたのだけれど記憶がない。
どうしようもなく、たかぶる気持ちをかかえたまま、
いくとこもなく、ただ歩くだけでした。