フランス日記 (3)
フランス日記 (3)
サリュー、サヴァ?
フランス日記と題しながら、今までフランスが出てこなかった。今日は出ます。
某月某日。パリのメトロに乗る。いろんな人が乗り込んでくる。「私は失業中だ。子どもがいるので生活が苦しい。どうかお金をください」と朗々と演説しながら車内を移動する人にはよく出くわす。大半の乗客は無視するのだが、お金をあげる人も1車両に1人くらいいる。このあたりの人助けの精神、あるいはお金は持っている人から持っていない人へ、という考え方、カトリックの国だなあと思う。
こんなことがあった。教会前の階段にホームレスが座っていた。夏だ。そこにふつうの若者が寄ってきて、ボトルの水を差し出した。ホームレスの男ごくごく飲む。暑いからノドがかわいているのだ。ボトルを返す。水は残っている。若者はそのまま口を閉めてバッグに入れて立ち去った。つまり水をプレゼントしたわけですね。
さてメトロ。今回はオドロいた。車内で人形劇を始めた人がいたんです。通路の真ん中に立っている柱に、大きなクリップで黒い布を取り付ける。通路の左右いっぱいに四角く貼るので人の行き来はもうできない。黒布が土台になり、その後ろに隠れた演者が手で人形を操作するのだ。人形だけが観客(=乗客)に見える仕組み。音楽はラジカセ。けっこう大掛かり。ずっと見ていたかったが、次の駅で降りなくてはいけない。ホームから見たら女の人だった。
フランス大統領選で、国民戦線のルペンが2位につけた。シラクとの差もあまりない。進むEUの統合と極右の台頭。この2つの動きが、渦のように絡み合ってきている。ヨーロッパは大変なことになってきたような気もするが、これは新しいヨーロッパへの生みの苦しみだと理解したい。
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