宣伝会議賞について
(昨日のコラムの続きです。)
宣伝会議賞は当時、2万通くらいの応募があり、(今は8万通を越えているみたいですが)賞の枠数は40個くらいありました。だから、確率論的に言えば、500本コピーを書けば1本入るだろうと思いました。「数打でば当たる」みたいでかなり邪道っぽいですが、良いコピーの基準のわからないボクのような凡人は、たくさん数を書く他ありませんでした。実際には500本書いて自分で絞って90本ほど出しました。本当に運がよくて受賞することができました。しかし受賞したコピーは自分で書いたことすら忘れていたやつで、当時、自分で書いたくせにそのコピーのどこがイイのかサッパリわかりませんでした。つまりハッキリ言えば単なる偶然の受賞でした。数を打って当たっただけでした。ちなみにコピーは松下電器さんのパルックで「蛍光灯の暗い病院は、不安だ。」というコピーです。でも良かったと思っているのが、たくさん書いたのであまり自分で自分の可能性を限定しないでいろいろなコピーを書いたこともあり、他人から見た自分のイイ所を教えてもらえた感じがしたことです。自分が好きな自分のコピーの傾向は、独りよがりでシュールで不親切なギャグが多かったですし。それ以降、実際の仕事でも、宣伝会議賞をとったコピーを書いた時と同じ感じの気分で書いたコピーが褒められることが多かったです。ボクの場合は、コピーを書くと言うより、その商品にまつわる自分自身の昔の記憶を細かいことまで思い出すと褒められるコピーが出やすいみたいです。その意味で、受賞自体は偶然でしたが、自分の良いところを教えてもらえたので、たくさん応募した甲斐がありました。受賞がきっかけでクリエイティブに転局することも出来たので本当に心の底からうれしかったです。ボクは宣伝会議賞のおかげでクリエイティブの仕事につくことが出来たので、これからも宣伝会議賞がもっともっと注目される賞になって、前の自分の様に悪循環の中にいる人が一生懸命やればステップアップするために役立つ様な賞になるといいなーって心から願っています。大げさですがボクの場合、受賞によって絶望の中に光が見えた感じでしたし。
(明日のコラムにつづきます。)
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