リレーコラムについて

ちょっと音楽的と文学的を

サン・アド人

本日の担当としては、音楽と文学について語ってみよう
と思う。いやなに、そんなに堅苦しい話ではなく。立ち
話みたいなものです。最近の若者が使う「ボク的に言え
ば・・・」の的というのと同じ、曖昧さと責任逃れが出
来そうな、そんな程度の話です。それでは、音楽から。
「ラップ」についてです。ラップは、ロックのクラシッ
クになるのかなあ、という素朴な疑問があるのです、最
近。ラップがメジャーになってもう十何年以上経つので
しょ?。音楽のジャンルとしても確立しているし、今も
人気ミュージシャンが生まれているのだけれど。でも本
当にこれって20年後、30年後、40年後、普通の人
たちが聞いて懐かしいねえと言ってくれるのだろうか。
最近のテレビコマーシャルに60年代、70年代のオー
ルディーズが使われているように、ラップも何十年後に
は懐かしいねえといってコマーシャルに使われるのだろ
うか。基本的にはメロディがない(少ない)ラップは、
覚えにくいし、忘れちゃうよね。と、こんな話を実は友
人としたわけ。ロックンロール、ハードロック、ヘビー
メタルとメロディ重視の音楽を聴いてきた中年は、コン
サバなのかなあ(ちなみにパンクも、メロディアスだと
思ってる)。ラップファンの方、目くじら立てないでく
ださいね。以上。
では、次に文学。中河与一の「天の夕顔」という小説を
知っていますか。昭和13年に発表された浪漫主義文学
の傑作と言われ、ゲーテの「若きウェルテルの悩み」と
比較されるほどの名作。たまたま本屋の文庫本の棚から
見つけて買いました。話を簡単に言えば「主人公が愛し
た女性には夫がいた。学生時代に下宿先で知り合ったそ
の女性を20年以上に渡ってお互いが狂おしいまでに恋
し、熱愛する。けれど、ノンセックス。プラトニックラ
ブの代表格。最後は、死という別れが待っていた」とい
う内容。セックスが当たり前と言う今のご時世にあり得
ない男女の関係に、むしろカタルシスを感じてしまいま
した。新潮文庫で税別286円。中篇程度のページ数な
ので簡単に読めますから、読んでみてください。この本
は、最近の収穫です。(山之内)
●そうそう、いま銀座グラフィックギャラリーでサン・
アド展を開催しています。テーマは、「サン・アド人」
皆さん、見に来てください。

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