リレーコラムについて

理想は、A3なんだけど。

児島令子

みなさん、こんにちは。
先週、サン・アド人さんからコラムのバトンを渡された児島令子です。
9人分のとっても重〜いバトンなので、
落とさないように、一週間書き込みますので、どうかよろしくです。

ところでコピーライターのみなさん、コピーはどこで書きますか?
私は、大阪に住んでいるんですけど、東京の仕事が多いので、
新幹線の中で書くことがけっこうあるんですよ。
たいてい乗るのは、グリーン。(あ、自慢じゃないですよ)
いや、数年前までは普通車に乗ってたんですけど、
車内でコピーを書くことを考えたら、普通車よりグリーンがいいんですよ。

この場合のコピーを書くというのは、
コピーを考えるということではないです。
文字通り、紙に書く、清書するってことなんです。

東京に着いたら、すぐミーティングがあって、
自分のコピーをCDやADに見せなきゃいけない。そのために、
前夜までちまちま考えてたのを、車内で一気にまとめて清書。
書くのは、キャッチと、かんたんな企画書なんですが、
私の場合、そういうのは全部、パソコンじゃなく、手書きなんですよね。

で、困るのが、テーブルなんです。
新幹線のテーブルってね、うなぎ弁当食べたり、ビール飲んだり、
パソコン打ったり、メイク直ししたりという行為には向いてるんですが、
コピーを書くには向いてないんですよ。これって、あくまでも私の場合ですが。

と言うのも、知ってる人は知ってると思いますが、
じつは私には、コピーをでっかく書く!
という困った病気があるんです。

「先天性文字肥大症」だと主治医に言われました。

この病気はね、進行性で、悲しいことに私の場合、
もはや数年前から、さらにコピーをでっかく書きたいから、
用紙も大きいのを使う!という末期的症状にまで進んでるんです。

具体的に言って、私の理想はど〜んとA3ですね。
でも、この理想は、新幹線のテーブルで実現させるには確かに無理がありますね。
で、涙をのんで、私はB4まで譲歩するんですよ。
が、これでもかなり無理があるんですよ。
そもそもあのテーブルって、A4くらいの大きさしかないし、
なんたって邪魔なのが、飲み物を置くための丸いくぼみ。
注意しないとあのくぼみで、文字がガクッとなっちゃって失敗するんです。

そんな不自由な状況下でも、
私は、B4用紙をテーブルから少しずつずらす、という工夫をして、
なるべく大きな文字で一文字ずつ書きつけるのです。
揺れるのぞみ号の中で、背中を丸めて・・・・ただ一心に。
ああ、なんてけなげな姿かしら。

さて、ここまで読んで、賢明な読者のみなさんなら、
きっと気になるのが隣席の人のことですよね?
そうなんです。隣席が空席でない場合、とてもとても困ります。

だってさあ、いい女が(?)大きな用紙に大きな文字で、
なにか書いてたら、誰だって読みたくなるでしょう?
いや、読もうとしなくても、隣席なら充分視界に入ってきちゃうでしょ。

私の芸風から言って、いわゆるビジネス風のフレーズである場合が少ない。
キスをしてないとか、脱いだらすぐが、男だとか、なんちゃら気分だとか、
なんか暑苦しい温度感のもの多し。ああ、恥ずかしい。
とくに別ヨなんて、こんなの大きく書いてたら、危ない人に思われかねない。

てなわけで、私はグリーンに乗るわけです。
隣が空席である確率が、普通車より高いですからね。
それでも、混んでて、隣に人が座った場合は、アウト!
さすがに書く勇気はありません。
ただひたすら、「名古屋で降りろ、名古屋で降りろ」と、念じます。
名古屋に着くと、たいてい降りてくれます。いや、ほんとに不思議と。

無事に隣が空席になったところで、さあ、作業開始です。
ここでまた、問題が・・・そう、筆記具です!

        長くなったので、つづきは明日ね。(・Θ・)

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