天風回窓をみよ。
眞木準
コピーライターの西村佳也さんの書展オープニングに
ふらりと寄られた土屋耕一さんに会った。
西村佳也さんは、数年も前に書家としてデビューし、第一回の個展もみた。
そうとう昔から西村さんの字はコピーとして知ってはいた。
ボディコピー原稿などもみたことがある。
なかなかの達筆で、コピーライター界の三筆のひとりではないか
とさえ思っていた。
西村さんが始めた書は、もともとのきれい字をうち破って
拳骨でなぐったような墨太書を、ダンボールなどにも書く。
見る字といってもいいだろう。
白金のギャラリーばかりでなく、先日のコピーライター肉筆展でも
独特な書風で出品されていたので、ご覧になった方もいらっしゃるだろう。
その西村さんの個展で久しぶりにお目にかかった
土屋耕一さんにごあいさつをした。すると
「あ、どーも。実は、ボクもね、展覧会でもやろうかと思っていてね。
秋なんだけど。ま、それで、ちょっとどんなぐあいかなあ、と」
と、あの土屋文体そのまんまのお話しぶりで。
土屋耕一フェチとしては一も二もなく「じゃ、お手伝いを」
と自称広報担当を引き受けた。とはいえ、ずぼらから何をするでも
なかったのだが、DMをいただいて驚いた。
まず、これは書というのかしらん。
いや違う。絵というものに近いのだ。字が絵になった。
それも「咲くなら、大輪」というぐあいにカラフルに。
これはみなくちゃいけない。
みんなでみなくちゃいけない。
11月1日金曜日から同15日金曜日まで、表参道の【ギャラリー5610】。
電話は【03-3409-9496】。
住所は【東京都港区南青山5-6-10 5610番館】です。
タイトルが面白い。
「天風回窓」という、なんともさわやかな風のようで。
どんな意味かを、じっくり考えてみた。
土屋さんのことだから、まずはひっくり返して、「うそいかうぷんて」。
これはツチヤ風回文ではない。でも、そうだ。漢字ごとひっくり返すと
「ソウカイフウテン」と読める。
なるほどなんとも「爽快」な「フウテン」
つまり「フリーの身」をウラネタに込めたものに、違いない。
土屋耕一さんのコピーは、思いおこしてみると
どれもが「爽快」という気分が通底しているようだと気づく。
すばらしい新しい発想の字の絵を、自称広報委員として
どうかどうかご高覧いただきたい、と広報いたします。
くどいようだが、
11月1日から15日。表参道ギャラリー5610です。
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