環境問題のようなテーマで書きました

学生の頃のある時期、僕は家具屋さんで
家具の配送をするバイトをしていました。
注文のあった家具をトラックに積み込んで、
助手席に乗って、運転する社員さんと二人一組で、
お客さんのところに届けに行きます。
お客さんによっては古い家具やカーペットを
引き取ってほしいと言います。その家具屋さんも、
そういう引き取りサービスをしますと言っているので、
私たちは引き取ったものを積んで帰ってくることもあります。
でも、その家具屋さんの社長は、
引き取ってきた古い家具が嫌いらしくて、古い家具を見ると
それを引き取ってきた社員さんを怒鳴り散らします。
それを処分するのにお金がかかるからなのか、
倉庫のスペースをとるからなのか、ただ汚いと思っているのか、
なぜかはよくわかりませんでしたが、そうでした。
ある日、山本さんという社員のおじさんと一緒に
配送に行ったとき、またカーペットの引き取り依頼があり、
私たちはそれをトラックに積んで帰り道を走っていました。
民家の少ない、峠を越える道の途中で、
山本さんは急にトラックを止めました。古いカーペットを
河原に捨てるためということが僕にもわかりました。
山本さん、手伝いますと僕は言いました。
山本さんは、きみは汚れんでもええ、と言い、
乗ってたらええと言って、自分だけ降りて、
荷台からカーペットを取り出し、担いで捨てに行きました。
僕は助手席に座って待っていました。
12月で、雪がちらついていました。
数分で戻ってきて、またトラックを走らせ始めた山本さんは、
自分も大学に行っていたが
マージャンばかりやっていて中退したことや、
自分の娘は薬学部に通っていることや、
その娘のバイクが最近盗難にあったことなどを話してくれました。

有限会社E　梅田