コピーは体力と根性だ。おしまい
「リクルートは嫌いなんだよ。ガチャン!」勢いで入ってしまったリクルートは当時事件の真っ最中でした。毎日100件以上電話をかけて営業のアポを取ろうとするのですが、こうして電話を切られることもしばしば。それでも私は学生時代の根性練習に比べれば楽勝だと思ってました(今はこんな営業スタイルではありません。念のため)。なんでコピーライターなのに営業やっているのかと思われるかもしれませんが、それは逆で、もともとは営業志望だったんです。根性系で生きてきた私はトップ営業マンという響きに強烈な憧れを抱き、すぐに一番になってやると意気込んでやっていたのです。が、しかし。半年後の正式配属では、なんと制作に配属。これまで体力と根性で生きてきた私にとってそれは自分の武器を奪われて戦場に立たされたような感じでした。
今になって思えばその配属がなければ今の私はないのですから人生いろいろだと思います。仕方なく始めた制作の仕事ですが、とりあえず社内でデキル先輩を目指して頑張ることにしました。するとしばらくしてその方が社内で初めてTCC新人賞なるものを受賞したというニュースが飛び込んで来ました。(三神さん、あなたのことです。)でも、当時の私はそれがどんな賞なのかまったく知りませんでしたし、仲畑さんも秋山さんも知らなかったのです。それって凄いことなの?って感覚でいろいろ調べ始めたら急に世界が広がってきました。なんだ広告の世界ってこうなってんだ、とか、すごい人が沢山いるじゃないか、とか。新たな目標がはっきり見えて、何かこう、忘れかけていた血が蘇るようにワクワクしてきました。
さあ、いよいよ根性の見せ所です。それ以来、人より沢山仕事をすることをテーマにしました。野球では実績のない新人がバッターボックスに立つチャンスは限られています。どんなに調子がよくっても、そのチャンスにしっかり打てないと次のチャンスなかなかやって来ない。でもこの仕事は手を上げつづければどんどんバッターボックスに立てる。実戦の中で力をつけていける幸せを噛み締めて100本キャッチ出しだって、ラフ20案出しだってやります。もうだめだと思いそうになった時、もうちょっと考えようと思えるかどうか。ここに根性が生きてきます。睡眠時間を削って考えるには体力も必要でしょう。でも、天才でもない限りそれは避けて通れない。きっとみんなやっていることなんですよね。だからコピーは根性と体力だと思うのです。そうでも思わなければ、こんなすごいコピーライターの集まりの中で自分はやっていけないでしょう。これだけは負けないってものが「根性」だという人が21世紀にいてもいいじゃないですか。私は次の武器が見つかるまでしばらくはこれでいきます。(とりとめのない話で恐縮です)
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