リレーコラムについて

限りなく悪夢に近い夢/月曜日

野澤友宏

こんにちは。
電通の野澤友宏です。

コラムっていうのは、ある程度書いている人の顔が見えて、その人の生活がそこはかとなく感じられてこそ、面白味がわくわけで。
僕みたいなのが、仕事や私生活のよしなしごとを書いても、どうなんでしょう?
誰も僕のこと知らないだろうし。
ううむ・・・。

夢日記でもつけましょうか。
苦し紛れに。

最近、何かと忙しく、企画してコンテ書いてコピー書いて企画してコンテ書いてコピー書いて・・・と右手を酷使しているせいか、眠りながらも「右手」にまつわる夢、限りなく悪夢に近い夢をみます。
電車に乗っていたら、いつの間にか「右手」をスラれていたり。
女の子とのエッチをしている最中に、「右手」の指がアノ液でとろけてなくなっていたり。

先週末に見た夢は、目を覚ますと右手の指が一本残らずなくなっている、という夢でした。

目が覚めたら、手首の先には、つんつるりんの手のひらだけ。
そういう時でも、夢だと、思いのほか冷静に仕事のことを考えてしまうものらしい。
あああ、コンテが描けない。仕事ができない。どうしよう。明日までに出さなきゃならない企画があるのに。どうしよう・・・
と、その時、

カタンッ。

郵便受けに手紙が一通。差出人のない手紙。
指一本分くらいに膨らんだ封筒の中から出てきたのは、一本の人差し指。
おおおお!おかえりなさい、僕の指!!
その指を、手のひらの先端部分、所定の位置に差し込むと。
ぴったり!
蘇った人差し指をクネクネと動かし、ようやく鼻をほじるくらいのことができるようになったところで、

カタンッ。

またしても郵便が。
今度の中身は、中指。
その指を、手のひらの先端部分、所定の位置に差し込んで、
ピース!
などとVサインをムダに繰り返しているうちに、

カタンッ。
カタンッ。
カタンッ。

親指。薬指。小指。
手のひらの先端は次々と指で埋まり、ホッと一安心。
ああ、これで明日の打ち合わせは大丈夫だ。
と、思ったその瞬間、

カタンッ。

郵便・・・?
指は五本揃っている。完璧なまでに揃っている。
なぜ・・・?
恐る恐る指一本分くらいに膨らんだ封筒を開け、中身を取り出すと。
小指!?
それは紛れもなく僕の小指。
小さい頃、本物の包丁を振り回しながら「おままごと」のリアリズムを追求していた時につけてしまった傷がうっすらと残っている。
と、いうことは。
先ほど喜び勇んで接着した小指は、僕の小指ではない。
と、いうことは。
早速付け替えなければならない!
と、思ったものの、一度くっついてしまった指は、引っ張っても引っ張ってもいっこうにはずれる気配もなく、しっかりと僕の手のひらになじんでしまっている。
あああ、僕は一生誰のものとも知れぬ小指をつけたまま生きていくのか。
ああああ、僕の本当の小指は、誰のものともならず、朽ち果てていくのか。
途方もなく途方に暮れた僕は、所在なく転がっている小指を、左手でつまみ、右手のウソの小指と絡め合わせた。
♪〜ゆーびきーりげーんまんうーそつーいたーらはーりせんぼんのーます
ゆびきったッッッッッッッ

コトンッ

ウソの小指が手から落ち、そして、僕は、本物の小指を、いつものいつもどおりのお約束の位置へあてがった。

と、まあ、オチらしいオチもない夢を、長々と(あ、本当に長い!すみません。)コラムと称して書きつけるのもどうかと思いますが、こんな感じで今週は書いていきます。
よろしくお願いします。

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