男親の心配
佐藤仁
先日、娘と風呂に入っていて、あることに気がつきました。
なんと、小学4年生になる娘の胸が、僅かに膨らんできているようなのです。
このささやかな発見に驚きながらも、男親としては、やはりちょっと寂しい気がします。
一緒に風呂に入れるのもあとどのくらいかな。
なついてくれているのも、今だけなんだろうな。
そのうち、父親を避けたりしだすんだろうな。
知らない間に、恋人なんか作って、勝手に結婚決めちゃうんだろうな。
なんだかなぁ、、、。寂しいなぁ、、、。
僕の会社の先輩は、知人の結婚披露宴で、さだまさしの「親父の一番長い日」を歌った際に、つい自分の娘の結婚式を想像してしまい、思わず涙がこみ上げてきて男泣きし、それでも何とか最後まで歌いぬいて、会場を静かな感動の渦に巻き込んだそうです。さすがに、小学生の娘の嫁ぐ姿を想像してしまったとは言えなかったようですが、男親というのは、そういうものなのでしょう。もっとも、その先輩は、朝の通勤電車の中で少年マガジンを読んで泣いてしまうくらいで、そもそもが涙腺のゆる〜い人なのです。
そうそう、涙腺のゆるさといえば、僕の父もかなりのものです。福岡国際マラソンで瀬古選手が優勝したときに、平和台陸上競技場のスタンドでそのゴールの瞬間を見て感動して涙を流し、隣のおばさんに「瀬古選手の親戚の方ですか?」と訊ねられたそうです。そんな父の血を引いてるのですから、僕の涙腺も相当にゆるく、娘の結婚式で大泣きするんじゃないかと今から心配です。おまけに僕には、娘が3人。ということは、3回も涙するわけで、、、。なんだかなぁ、、、。恥ずかしいなぁ、、、。
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