リレーコラムについて

名古屋について(3)

中澤昌樹

大阪と名古屋でお仕事をしてきて思うこと。
それは、コピーライターとして仕事をしていくなら、
東京より、それ以外の(地方)都市のほうが絶対に楽しいということです。

たとえば九州で、門田陽さんや中村聖子さんが頑張っていると、
「最近は九州のCMが元気だ」と言われたりします。
堀井さんたちが築き上げた「大阪のCM」というのも同じことでしょう。
つまり東京以外の都市では、チームや個人の成果が、往々にして
そのまま地域の「ブランドイメージ」を作っていくというわけです。

東京ではそんなことはありません。
ほとんどの広告作品(おそらく8割強)は東京で作られていると思いますが、
それがいくらオンエアされても、いくら賞を獲っても、
「東京のCMが元気だ」という話は聞いたことがありません。
あるいは、山手線がいくら混んでいても、
「いま山手線が大ブーム!」と言われることはありません。
いくら高くても「いま東京タワーが高い!」とも言いません。

いつも論点がズレてしまうのが悪いクセですが、
そういう意味では、名古屋もとてもオイシイ街だと思うのです。
幸か不幸か、まだ名古屋には、
これといった広告の「ブランドイメージ」は存在しません。
いま仮に私が、周りの人たちと一緒にものすごく頑張って、
いい広告をたくさん作って、賞なんかもたくさん獲ったりすると、
おそらくその時には「いま名古屋の広告が面白い!」という
言われ方をすると思うのです。
これは何というか、魅力的じゃないですか。

もちろん、その道のりは並大抵のものではないと思いますが、
そして、残された時間もあまり多くはないですが、
この先、少しでも「名古屋の広告」をいろんな人に語ってもらえるように、
がんばりたいと思います。
…まあ、最後はこれぐらい真面目でもいいじゃないですか。

というわけで来週からは、名古屋つながりということで、
私とTCCの同期であり、この5月からは同僚でもある、
小林大さんにお願いしたいと思います。
1週間のお付き合い、ありがとうございました。

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